「2つのシンガポール」の出現? 「失政なき」与党に逆風、華麗なる一族に内紛も(産経新聞)

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 10日に行われたシンガポールの議会選(一院制、定数93)は、長期一党支配が続いてきた人民行動党(PAP)政権に逆風が吹く形となった。新型コロナウイルス対策への不満は大きくなく、PAPに目立った失点がないにもかかわらず、「変化を求めるムード」(ロイター通信)が顕在化した形だ。建国の父、リー・クアンユー元首相が作り上げた都市国家は、岐路に立っているといえそうだ。(シンガポール 森浩)  ■過去最低水準の得票率…野党は初の2桁議席  「得票率の割合は、私が期待していたほど高くはない」  選挙の大勢が判明した11日早朝、PAPを率いるリー・シェンロン首相は勝利を宣言しつつもこう結果を振り返った。大勝した結果を受けた会見だったが、会場に漂う重い雰囲気はぬぐえなかった。  選挙でPAPは83議席を獲得した一方、野党の労働者党(WP)が過去最多の10議席を得た。議席数ではPAPが野党を圧倒している。ただ、PAPの得票率は61・2%で、2015年の前回選挙と比べて約8ポイント下落。11年選挙(60・1%)に近い過去最低水準に落ち込んだ。  特にPAPにとって「最大の番狂わせ」(地元紙ストレーツ・タイムズ)だったのが、新設された北東部センカン地区の「グループ選挙区」での敗退だ。  シンガポールの選挙は、小選挙区と、各政党が4~5人のチームで出馬し得票数の高かった政党が割り振られた議席を総取りするグループ選挙区が並立されている。グループ選挙区は実績や組織力のあるPAPに有利に作用するとされ、今回の選挙でも6割強の得票で約9割の議席を獲得する結果にもつながった。  センカン選挙区は若い住民が多い。PAPがここを落としたことは、若年層への支持が広がっていないことの象徴とされる。シェンロン氏は会見で、「シンガポールの人々はPAPに政権を担ってほしいと思っているが、特に若い有権者は議会で野党をもっと見たいと思っている」と分析した。  また、シェンロン氏の有力な後継候補とされるヘン・スイキャット副首相兼財務相も、グループ選挙区で知名度が高い女性候補を抱えたWPに苦戦した。これまで初代首相のクアンユー氏(在任1959~90年)、ゴー・チョクトン前首相(同90~2004年)、シェンロン氏とバトンタッチしてきたPAPの“世代交代計画”に影を落とす可能性がある。  ■「エリート」が導

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(2020/07/25)