【寄稿】サムスン電子副会長を起訴することが国民経済に好ましいか(朝鮮日報日本語版)
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SKグループは総帥が逮捕される以前の2012年にハイニックスを、15年8月の釈放以降にOCIマテリアルズ、東洋マジック、LGシルトロン、ADTキャップスなどグループの命運を左右する多数の大規模な合併・買収を行った。しかし、2年6カ月の拘束期間には系列会社のCEOレベルで決定できるような小規模の合併・買収しか行えなかった。李在鎔(イ・ジェヨン)副会長が国政介入事件で逮捕される以前、サムスンは石油化学関連の系列企業などをハンファ、ロッテに売却し、サムスン電子の競争力を高めるためにハーマンなど大規模な合併・買収を決定した。しかし、逮捕後現在に至るまで、事業のポートフォリオ再編や大規模な合併・買収、新たな成長動力の発掘に向けた大規模投資は事実上全面ストップしている。
こうした例を見ると、財閥総帥の起訴や逮捕は韓国経済の未来にとても否定的な影響を与えることが分かる。戦略経営分野の大家であるマイケル・ポーター教授は「国の競争優位」という著書で世界的な競争力を備えた企業と産業を持つ国が競争優位に立つと述べている。世界市場で競争する財閥企業が自分たちの得意な分野で事業ポートフォリオを再構築し、合併・買収を通じて競争力を高め、新たな成長産業を育てなければ、良質の雇用を創出できず、韓国経済の競争力を高めることもできない。
サムスングループと下請け企業で働く勤労者の数、彼らが創出する付加価値、納める法人税が韓国経済に占める割合がとても大きい。4月末現在で国民年金積立金の5.5%以上がサムスングループの株式に投資されている。サムスングループが事業ポートフォリオの再構築、大規模な合併・買収、新たな成長動力の発掘を通じ、さらに成長すれば、さらに多くの雇用を創出し、国民所得を高め、税収が増え、国民の老後資金が枯渇する時期も遅らせることができる。検察が検察捜査審議委員会の専門家が下した勧告について、もっと国家経済という観点から検討を行うことを期待する。
李京黙(イ・ギョンムク)ソウル大経営専門大学院教授