【フレンチブルーのアルファ】アルファ・ロメオ8Cモンツァの栄光 後編(AUTOCAR JAPAN)
【リンク先抜粋】
text:Mick Walsh(ミック・ウォルシュ)
photo:Will Williams(ウィル・ウイリアムズ)
translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)
1933年のフランス・ポー・グランプリ。ほかのドライバーは2分を切れずにいた中で、プラクティス上位のタイムは、1分56秒で2台が並んだ。
【写真】アルファ8Cモンツァと21世紀の8C (35枚)
アルゼンチンのマルセル・ルックスがドライブしたブガッティ・タイプ51と、フィリップ・エトンスランのフレンチブルーのアルファ・ロメオ8Cモンツァ。当時の規定では、ボディはドライバーの国籍に合わせたナショナルカラーでの塗装が要求されていた。
プラクティスが終わると、天候は大きく変化。土曜日の夕方には大雪となり、夜明けには街中が白く覆われた。それでも、大観衆はポーの街を離れなかった。
日曜日も雪はやまず、主催者は中止を検討する。1933年シーズンは予定がいっぱいで、延期の日程は組めない。最終的に、滑りやすい路面でもドライバーは充分なスキルがあると判断。開催を決定する。
スタートは午後2時。凍結を防ぐため、コースは除雪され、塩がまかれた。
1930年代初頭の通例のように、スターティング・グリッドはくじ引き。フロントローには、ガイ・モールのブガッティ・タイプ51と、ピエール・フェリックスのアルファ・ロメオ8Cモンツァが並んだ。
フィリップは3列目。運も味方した。
雪の降る中、カジノ前の通りへ16台が並ぶ。レースの主催者でジャーナリストのチャールズ・ファルーがポディウムに登り、レースがスタート。
ガイ・モールのブガッティ・タイプ51は先頭を切る。厳しいコンディションにドライバーは苦戦。フェリックスの8Cモンツァの後ろに、車列が続いた。混戦の中、フィリップ・エトンスランは4位へと浮上する。