なぜJALは飛行機に乗らない旅を販売するのか 特集・リモートトリップに挑むJAL(Aviation Wire)
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「海士町には一度も行っていないんです。Zoom会議で企画を進めました」。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響で、今年の夏休みは旅に出掛けにくいという状況の中、日本航空(JAL/JL、9201)は現地に行かない旅として、デジタルコンテンツとリアルな旅行体験を融合した「リモートトリップ」を商品化し、第1弾を7月に島根県隠岐郡海士町(あまちょう)を目的地として実施した。
今回は「JAL羽田-隠岐デジタルフライトで行く、隠岐 海士町の潮風リモートトリップ」と名付け、普段は直行便が飛んでいない羽田-隠岐間のフライトを仮想体験できる「デジタルフライト」と、現地で海士町特産のサザエやヒオウギガイ(檜扇貝)の「カンカン焼き」などを自宅で楽しむ体験型旅行を組み合わせた。約2時間の旅で、料金はサザエなどの個数に応じて5500円と7500円、9000円(税別)と3コースを設けた。
ちなみにJAL便で羽田から伊丹経由で隠岐へ向かう場合、割引運賃の「乗継割引28」で大人1人片道2万5810円。実際に行くとなれば羽田までの交通費、往復の航空運賃、隠岐から海士町へのフェリー、宿代などが最低限かかることになる。今回の料金は、カンカン焼きや現地観光のかかる代金+αといったところか。
今回は参加者だけではなく、リモートトリップを企画したJALデジタルイノベーション推進部の下川朋美アシスタントマネジャーも、新型コロナの影響で冒頭の言葉のように現地を一度も訪れることなくプロジェクトを進めることになった。
なぜ飛行機に乗らない旅を、航空会社であるJALが進めるのだろうか。
◆打ち合わせもすべてリモート
今回の参加者には、カンカン焼きの材料やコンロで調理する際の缶、JALが機内サービスで提供しているオリジナルジュース「スカイタイム」の紙パック、客室乗務員の手作りマップなどが「体験用ボックス」として事前に届けられた。自宅などから旅を体験する参加者には、現地の映像や音はビデオ会議システム「Zoom(ズーム)」で伝える。
一方、下川さんや企画に携わるパイロット、客室乗務員らは東京・天王洲の新技術研究拠点「JALイノベーションラボ(JAL Innovation Lab)」で、背景合成用グリーンスクリーンや、客室を模したコーナーから参加した。
海士町はすでにリモートトリップ