東京五輪まで1年という時間は「一度立ち止まり自分を見つめ直すチャンス」…“世界の鉄人”室伏広治氏から後輩たちへ(スポーツ報知)

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 東京五輪・パラリンピック大会組織委のスポーツディレクター(SD)を務める2004年アテネ五輪陸上男子ハンマー投げ金メダルの室伏広治氏(45)が、五輪まで1年の節目を迎えるにあたり、スポーツ報知の単独インタビューに応じた。新型コロナウイルス感染拡大による大会延期に戸惑いを隠しきれない選手も多い中、世界の鉄人は「一度立ち止まり、競技者としての幅を広げるチャンス」と、豊富な経験を踏まえて激励のメッセージを送った。 (取材・構成=太田 倫、小河原 俊哉)  東京五輪まで1年という時間ができた。僕ならこの時間を競技者としての幅を広げることに使う。現役時代は競技だけをやればいい、という考えでやっていなかった。選手だからといって24時間練習しているわけじゃない。こういう時だからこそ、果敢に他のことにもチャレンジし、自分を向上させるために時間を使ってほしい。これまで体験してこなかったことをしたり、知識を学んだり…。自分の力、パフォーマンスを発揮できる機会を失うのは残念だが、この時間は、一度立ち止まり自分自身を見つめ直すチャンスだと前向きに考えてほしい。  僕は現役時代に2年間、ほとんど試合に出なかった時期がある。金メダルを獲得したアテネ五輪の翌年の2005年と、5位入賞の北京五輪の翌年の09年だ。疲労や故障もあり、出場は難しい状況だった。  ただ、この2年はずいぶん研究活動が進み、学位も取れた時期でもあった。そこで考えたトレーニングの方法、理論はその先、さらに競技を長く続けていく上で不可欠になった。その2年がなければ40歳を超えてまでハンマー投げをできなかったと思う。もっと時間が欲しいと思ったくらいだ。  09年は、中京大で指導していた平泳ぎのエキスパート・高橋繁浩さん【注1】に泳ぎを教わった。学生と一緒に早朝のプールに通い、練習に励んだ。平泳ぎは、ただ腕をかけばいいわけじゃない。最初の基本姿勢「蹴伸び(けのび)」で真っすぐ浮き姿勢が作れないと泳げない。最初はできなかった。どんなことも基本があり、その土台があって伸びていくと改めて学んだ。毎日通ううち、スタートからふたかきで25メートル先のゴール板に手がつくようになった。  自分の専門競技以外でも真剣に熱中すれば「インプルーブ(improve=改良、改善、磨くの意)」できる。それが楽しかった。今までと違う筋肉もつき、体

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(2020/07/25)