2020年上半期に見逃していない? 観るべき邦画の評論家鼎談(Lmaga.jp)

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田辺「2020年の上半期は新型コロナウイルスの影響で、映画の劇場公開が中断、延期が相次ぎました。もちろんマスコミ試写会も全部中止。そんななか、まさか上半期ベストの座談会をやるなんて!」 斉藤「もし公開延期がなかったら、上半期は行定勲監督、今泉力哉監督がものすごいことになっていたんだよ。行定さんは『劇場』『窮鼠はチーズの夢を見る』がもともと上半期に予定されていた。どちらも今年1番を譲れないくらい圧倒的。で、さらに外出自粛中にリモートで2本の映画を作った。これがまた傑作だったんだよね」 田辺「そのひとつが、行定監督が新型コロナの状況下ですぐに脚本を書いて、高良健吾たちに話を振った『きょうのできごと a day in the home』。リモート飲み会を若者たちがやっていて、他愛のない話をずっとしている。でも所々、ジム・ジャームッシュ監督の『パターソン』(2016年)の話などが出てくる。で、『あのモノクロの映画を撮っている人。何だっけ。あの映画、良かったね』『誰だっけ?』とか。この話が後半にちょっと効いてきたり」 春岡「リモート飲み会でジャームッシュの話をするとか、雰囲気がぴったりじゃん」 斉藤「ZOOMでの撮影だから、たまに音声が途切れたりするのよ。でも、ワンテイクでそのまま突っ切って撮り直ししない。声のズレも込み。それが次第に、ひとりのヒロインをめぐる恋愛ドラマに発展していく」 田辺「有村架純ですよね。柄本佑の元嫁役。で、『どうやら全員と関係を持っているぞ』と」 斉藤「そのあたりの展開と芝居が全員上手い。行定組の役者で固めてね。MOROHAのアフロだけが、『俺はみんなの事情を知っていたけど黙っていた。彼女に憧れていた』とかさ。で、その次に撮ったリモートの『いまだったら言える気がする』は、アイナ・ジ・エンド(BiSH)が抜群だったね」 田辺「作品の公開延期がなかったら本来は行定監督が上半期の話題の中心だったし、でも新型コロナの影響下という点でも、行定さんのリモート作品は大きなトピックスですよね」 斉藤「その点、今泉監督の『街の上で』が2021年春まで公開が延びたとはいえ、『his』『mellow』が1月に劇場公開されて、どちらも素晴らしかったし、やっぱり『今は今泉力哉だ』となったね。『his』は今泉さんのなかではちょっと画が弱くて「もっとやれる」と感じた

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(2020/07/24)