お困りの時は、お黙りで! 翔んでお嬢さまことば講座(25ansオンライン)
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あなたさまが意を決して、高価なバッグをお求めに行かれたのに、店員にそっけなく「ただいま品切れです」と言われてしまった場合。おまけに、「何色のものをお探しですか?」と聞かれて、「紺色を」とお答えになったら、「こちらのタイプは、黒とベージュしか製造しておりません」と言われてしまったりした場合。なにやら体裁が悪くて、思わず「あら、そう、ないの!? 黒とベージュ、そう」などと、すっかり、お嬢さまぶりっこもどこへやら、ひとりでぶつぶつ早口でお話しになることと思います。
あるいは、ホテルのティールームで、「お紅茶をいただけますこと?」と、ゆっくりおっしゃったまではよろしかったものの、「銘柄は何になさいますか?」などと聞かれてしまった場合。思いもかけない質問に、とっさにとまどってしまったりいたしまして、「えっ? 選べるんですか!? ちょっと待って」と、たちまち馬脚を現してしまわれることとなります。
実際、お嬢さまには、お嬢さまのライフスタイルがあり、それはインスタントお嬢さまにとっては、はじめてのことである場合も少なくはございません。そうした場合、よくご存じの名前も、とっさに出てこなかったり、まったく何のことなのか、おわかりにならないこともございましょう。
実は、お里が知れるのは、そうした「不意の遭遇」のときでございます。そして、あなたさまが初心者であればあるほど、たくさんの「不意の遭遇」が待ち受けていることとなります。そうした場合のとっておきの秘技をご伝授申し上げましょう。
それは、まず沈黙。お答えにならないことでございます。
お答えにならないといっても、最後までお答えにならない場合と、とりあえずお答えにならない場合の二つがございます。
先にあげました例のように、思いがけなく、紅茶の銘柄を聞かれてしまわれたようなとき、すぐにお答えになろうとするから、あわててしまうのでございます。「ええ」と、おもむろに眼を伏せ、深呼吸、そして、「何がございますの?」とお尋ねになればよろしいでしょう。この間、三秒ぐらい間をおいてかまいません。先にお話ししましたように、ゆっくりと間をおくのが、お嬢さまなのでございます。
さて、とりあえず三秒間、間をおいたのはよかったけれど、三秒たっても、どうしてもことばを見つけることがおできにならなかった場合。そのままお答えにならないでいればきっと何方