「1年後、記憶に刻む演武を」 一度きりの五輪へ、空手・清水希容(産経新聞)

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 来夏、長年の悲願の、そして一度きりになるかもしれない五輪に臨む選手たちがいる。日本発祥の空手は東京五輪で初めて採用されたが、2024年パリ五輪からは落選。加えて、コロナ禍で延期された大会の今後の行く末も不透明だ。形女子で代表入りを確実にしている金メダル候補、清水希容(きよう)=ミキハウス=は「いろんな人の記憶に刻めるような演武を見せたい。それが一番」と力を込める。  五輪競技への採用は、全日本空手道連盟(JKF)にとって悲願だった。「KARATE」の愛好者は世界中に広がり、1億3千万人以上とされる。世界空手連盟(WKF)の加盟国・地域数は約200で、国際柔道連盟(IJF)に匹敵する。  しかし五輪入りは流派分裂などもネックとなり、08年北京五輪から3度落選が続いた。潮目が変わったのは14年12月のIOC臨時総会。開催都市が複数の追加種目を提案できる権利が承認された。その追加種目として、16年8月のIOC総会で野球・ソフトボールやサーフィンなどとともに東京大会での採用が決定。奈蔵稔久(なぐら・としひさ)WKF事務総長は「こんな日が来るとは」と万感の思いをにじませた。  五輪への採用は、清水の競技人生も大きく変えた。連覇を目指すこの年11月の世界選手権で現役を引退するつもりだったが、「それまでは世界選手権で勝つことが一番の目標だったけど、自分も五輪を目指せるんだと思った」。世界選手権で2連覇を果たし、東京五輪での金メダルが新たな目標になった。  だが、パリ五輪組織委は昨年2月、追加種目の候補から空手を除外。フランスは空手が盛んなだけに、関係者の落胆は大きかった。  世界中の人々に、日本から空手の魅力を発信する舞台まで残り1年。「東京五輪で空手そのものがなくなるわけではない。日本発祥の武道だからこそ、日本の強さをしっかり見せて勝たないと」。最初で最後かもしれない五輪の空手。これからの1年、母国の誇りも込めた最高の演武のために全てをささげていく。(岡野祐己)

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(2020/07/23)