形がい化した「第三者委員会」の進むべき道は 経営者の「みそぎのツール」「隠れ蓑」に…八田進二氏に聞く(弁護士ドットコム)

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日本では、企業が不祥事を起こすと「第三者委員会」が設置されることが多い。しかしこれに「経営者の禊(みそぎ)のツールと化している」と批判するのが青山学院大学名誉教授(会計学)の八田進二氏だ。 【写真】取材に答える八田進二・青山学院大学名誉教授 会計の専門家として八田氏は、2014年から久保利英明弁護士らと「第三者委員会報告書格付け委員会」で様々な報告書のレビューを重ねてきた。その委員会での仕事をまとめ、『「第三者委員会」の欺瞞 報告書が示す不祥事の呆れた後始末』(中公新書ラクレ)を上梓した八田氏に、第三者委員会の役割はどうあるべきなのかインタビューした。(ライター/拝田梓) ●経営者の「隠れ蓑」「禊のツール」として機能する第三者委員会 ーーそもそも、第三者委員会はどのような目的で設立されるのでしょうか そもそも第三者委員会は、欧米から輸入された概念ではなく、「失われた10年」と称されるバブル崩壊期、日本で考案された仕組みです。 第三者委員会については、不祥事を起こした企業や団体が、外部の専門家で構成されるメンバーで設置し、問題の真相究明、責任の所在を明確にさせるものだと考えるのが一般的ではないでしょうか。 しかし実態は、真相や事実を究明する場ではなく、関係者が身の潔白を証明する「禊のツール」と化していることが多いのです。調査中はメディアや世論から逃れる「隠れ蓑」になりますし、数カ月して「問題ありませんでした」という免罪符を第三者委員会が発行する頃には、世論も忘れています。 このように、第三者委員会は「阿吽の呼吸で、事を丸く収める」日本ならではのものとして利用されている側面もあります。 ●原点は「山一證券」損失隠し、象徴的だったオリンパス不正会計事件 ーー第三者委員会はいつ設置され、どのように存在感を高めるようになったのでしょうか 日本で第三者委員会の原点となったのが、1997年11月、山一證券の自主廃業です。山一は、「簿外債務」すなわち損失隠しの実態究明のため、「社内調査委員会」を設置し、これが第三者委員会のルーツとなりました。 その後、第三者委員会のステータスは高まっていきます。2011年7月、第三者委員会の性質を決定づける象徴的とも言える事件が発覚しました。バブル期の投資の失敗に端を発した一千数百億円の損失を「飛ばし」という手法で隠蔽し続け

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(2020/07/22)