線路流出から奮闘9カ月 箱根登山鉄道、23日運転再開(カナロコ by 神奈川新聞)

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 昨秋の台風19号による被害を受け、箱根湯本─強羅駅間で運休が続いた箱根登山鉄道が23日、全線で運転再開する。同鉄道史上、最大級の被害に社員らは「途方に暮れた」と振り返るが、懸命の復旧作業で想定より早めの再開にこぎつけた。9カ月ぶりに走る車両に同社は「再開を待ち、支えてくださった皆様のおかげ。安心・安全な運行に全力で取り組む」と話している。 【動画】全線再開へ最終段階 台風被害の箱根登山鉄道  2019年10月12日、台風19号の接近による大雨を受け、同社は同日午前8時50分ごろ、箱根湯本─強羅駅間の上下線を運休し、車両を両駅と入生田車庫に退避させた。同社総務部課長代理の菅原隆さん(49)は「この時はここまで大きな被害になるとは考えていなかった」と振り返る。  降り始めからの雨量が1000ミリ超と観測史上最大の大雨が箱根町を直撃。翌13日早朝、被害の確認のため、強羅駅から線路沿いを巡回した同社鉄道部の兵藤圭晃さん(35)は、宮ノ下─小涌谷駅間の「蛇骨(じゃこつ)陸橋」で線路が橋脚とともに流出しているのを発見した。兵藤さんは「電柱が倒れていたので橋の方を見たら線路がなかった。復旧に1年以上はかかるのでは、と途方に暮れた」と明かす。  大平台─宮ノ下駅間の「大沢橋梁(きょうりょう)」でも線路沿いの斜面が崩れ、土砂や石が線路上に堆積。同区間の「大平台隧道(ずいどう)」や小涌谷駅近くの「小涌谷踏切」も、水による浸食で線路下の土がえぐり取られるなどの被害があった。同社にとってこれほどの被害は、1948年9月に台風で大平台駅近くの橋が流され、約10カ月運休して以来のことだった。  同社は臨時の復旧チームを編成し、復旧作業の方向性を検討。本格的な工事は年明けの1月中旬にスタート。蛇骨陸橋では斜面に杭を打ち込み、基盤を作って線路を敷設する大規模な工事となった。  当初、運転再開を今年秋ごろと見込んだ。しかし暖冬で凍結や積雪が少なかった上、近隣の住民や施設の協力で作業時間を長く確保することができたことで、工事が順調に進み、再開時期を大幅に前倒しできた。

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(2020/07/22)