なぜレクサスは“FF1本化”に踏み切ったのか? GS生産中止を読み解く(GQ JAPAN)

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ではGSとESの販売台数がどうだったかというと、これが実に興味深い。2012年から2020年5月末までのグローバルな販売台数でいうと、ESが1年あたりの平均で14.2万台だったのに対し、GSは2.7万台ほど。その差は5倍以上にも達していた。 この事実を知れば、「売れないGSを生産中止にするのは当然のこと。むしろ、おなじセグメントで駆動方式の異なる2モデルをこれまで販売していたことのほうが不思議」という思いに駆られるかもしれない。それは一面で事実であるものの、実はGSの生産中止にはもっと重大な要因が関係していた。 渡辺氏が語る。「時代の進化のなかで、お客様の求めるバリューがどんどん変わっていくことがあります。そこで私たちは、マーケットがいろいろな要因で動いている事実を率直に受け止めながらポートフォリオの見直しを図っていくことになります」 ややもどかしい説明であるが、では、渡辺氏らが考える「マーケットが動いている要因」とはどのようなものなのか? 「いわゆるCASEに代表されるモビリティの変革は、時代の大きな流れとして捉えるべきではないかと考えます」 会社での立場上、渡辺氏がさらに具体的に語るのは難しいと思われるので、私が代弁しよう。 CASEとはコネクテッド、自動運転、シェアリング、電動化の頭文字で、これら4つの要素技術を備えた自動車が今後時代をリードしていくと見られている。つまり、高度に自動化されるとともにネットワーク化された電気自動車を多くのユーザーが共用する(=シェアリング)のが、将来の自動車像と予想されているのだ。 当然、ここで用いられる自動車のプラットフォームは新規で開発しなければいけないが、だからといって現行モデルの生産をすべて取り止めるわけにはいかない。ここで必要になるのが現行モデルの効率的な統廃合である。つまり、ESとGSで担ってきたアッパーミドル・セグメントをESに一本化し、ここで生まれた開発や生産のキャパシティを来たるべきCASEのために振り分けることは、新しい時代を目前に控えたレクサスにとって避けて通ることができない決断だったのである。

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(2020/07/20)