“大草原の小さな毒親” ローラが壊した温かな家庭【後編2】(ELLE ONLINE)
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そんなローズは、あるとき母がかつて学校用のノートに鉛筆で記していた文章を発見する。それは拙いものだったが、ローズの創造力と実体験からくる編集力を掻き立てた。こうして『パイオニア・ガール』、それから『大草原シリーズ』は発掘され、母娘ユニットによる「作家」“ローラ・インガルス・ワイルダー”は誕生した。これはときに「母親を利用した金儲け」と語られることも多いが、両親に楽をさせたいというローズの頼まれてもいない望みから来たと思わせられるところが大きい。
ローズには両親への金銭的援助に対して異常な執着があった。子どもの頃から両親が貧困や不運に見舞われ、働き詰めの姿しか見たことが無いローズは、頼まれもしないのに毎年500ドルという多額の送金を自分に課したため、逆に自分の生活に困ってしまったほど。完全に自分たちが作った家に満足している両親に無理やり新しい家を贈ることまでしている。結局、そんなわけで自分が困窮することになったのだが、自主自立を叩きこまれたローズが救いを求めた先は、コミュニティでも友人でも夫でもなく、やはり結局母親だった。この行動は傍からみれば矛盾し破綻したものだったが、結局この母娘にとって頼れるものは己か互いしかいなかったのだ。
(写真)ローラ・インガルス・ワイルダー。1930年頃