世界で最も孤立した部族、侵入者拒む歴史と唯一の「友好的な」接触【知られざる少数先住民族の暮らし】(ナショナル ジオグラフィック日本版)

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 インドの東、ベンガル湾に浮かぶ北センチネル島に、地球上で最も孤立したと言っていい狩猟採集民が暮らしている。 【関連写真】弓と矢を掲げて小躍りするセンチネル族の戦士たち、象徴的な1枚  北センチネル島はサンゴ礁に囲まれた三宅島ほど(面積約60平方キロ)の島で、現在はインド領だが、センチネル族の人々は部外者の立ち入りを完全に拒んでいる。森に覆われたこの島の住人は彼らだけで、人口はおそらく100人ほど。外界との接触がない彼らがいつからこの島に住んでいるのか、正確なところは誰も知らない。だが、いくつかの研究により、数万年前にアフリカから移住してきた可能性が示唆されている。  センチネル族の人々は弓の名手だ。外の人間が島に接近すると、追い返すために激しく攻撃する。過去の接触の試みはことごとく槍と矢の雨で迎えられた。  1974年には、アンダマン諸島のドキュメンタリー番組の制作のためボートからセンチネル族を撮影していたナショナル ジオグラフィックTVのディレクターが、投げつけられた槍で負傷する事故が起きた。遠征に同行したナショナル ジオグラフィックの写真家ラフバー・シン氏はこのとき、白い砂浜で弓と矢を掲げて小躍りする戦士たちを撮影した。この写真は、外界からの接触を拒絶するセンチネル族を象徴する1枚となっている。  彼らの猛々しさを示す事件は、新しいところでは2018年11月にも発生した。センチネル族をキリスト教に改宗させようと、自称「冒険家」の米国人宣教師、ジョン・アレン・チャウ氏が島に侵入して殺害されたのだ。  最初に上陸を試みた11月15日の体験をチャウ氏は日誌に記していた。彼はまず、防水加工された聖書を高く掲げた。すると、島から矢が飛んできて聖書を貫通したという。さらに2人の男性が弓に矢をつがえるのが見えたので、慌ててカヤックを漕いで退却。約350ドルを支払って島の近くまで送ってもらい、海上で待機してもらっていた漁師たちと合流した。  おそろしい思いをしたにもかかわらず、チャウ氏はその夜、再び島に向かう。そして漁師に、今回は自分を待たず、アンダマン諸島を管轄する行政府があるポートブレアにいる友人に手紙を届けるように指示した。  2日後、漁師たちが島の様子を確認しに行ったところ、浜辺で遺体を引きずり、埋葬するセンチネル族の人々が遠くの海上から見えた。身につ

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(2020/07/19)