最東端で日本の海を守る自衛隊 南鳥島で見た海洋国家の現実(産経新聞)

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 本州から約1800キロ離れた太平洋上にポツンと浮かぶ日本最東端の南鳥島(東京都小笠原村)。徒歩1時間程度で1周できる島に「海上自衛隊南鳥島航空派遣隊」の12人が常駐し、小さな島が生み出す大きな海洋権益を守っている。11日、河野太郎防衛相の視察に同行した。  ◇   海自機で厚木航空基地(神奈川県)を飛び立って約4時間。窓の前方に広がるコバルトブルーの海面に、横にまっすぐ伸びる白線が現れた。それが島影だった。サンゴでできた起伏のない地形のため、遠くからは白線に見える。  気温32度の島の滑走路に降りた。全長1370メートル、幅45メートル。昭和11年に旧海軍によって建設された。大きなひび割れもなく、きれいに整備されている。滑走路の維持・管理や、着陸した自衛隊機への給油が海自派遣隊の任務だ。  滑走路横の派遣隊庁舎前には、日の丸が高々と掲げられていた。庁舎から海までは歩いてすぐ。絶海のため漁船の姿もなく、とても静かだ。  南鳥島では先の大戦で、米軍の空襲や軍艦砲撃などで191人が命を落とした。海岸沿いには旧日本軍の軽戦車や大砲の残骸、トーチカ(コンクリート製の陣地)などの戦争の傷痕が戦後75年たっても撤去されず残っている。茶色くさび付き、雑草がからまっていた。その背後には白いサンゴの海岸とエメラルドグリーンの海という楽園の景色が広がり、そのギャップに強い印象を受けた。  現在の島民は派遣隊に加え、気象庁と国土交通省の合わせて二十数人のみ。民間機や客船は就航せず、観光客は訪問できない。  4月に着任した派遣隊長の光末憲壮3等海佐は取材に、任務の意義をこう説明した。  「ここに住み、(滑走路などの)機能を維持していること自体が重要な任務だと考えています」  つまり、日本による島の実質的な統治を継続することだ。光末氏は「最東端の小さな島だが、膨大な排他的経済水域(EEZ)を持つ。崇高な任務という意識で隊員に勤務させている」と語る。  EEZとは、沿岸国が沿岸から200カイリ(約370キロ)以内で設定できる、水産・海底資源など経済的な権利を有する海域だ。  日本はわずか1・5平方キロの南鳥島のおかげで島の周囲43万平方キロのEEZを太平洋上に有している。それは日本の全国土より広い面積だ。そのEEZ内の深海底では、ハイテク製品などに用いられる貴重な「レアア

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(2020/07/19)