なぜ不便で高価な“SUVクーペ”は人気なのか? 新型BMW X6から読み解く(GQ JAPAN)

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X6の3代目の話である。ボディ・サイズは少々大きくなった2代目よりもさらに大きくなって、全長4945×全幅2005×全高1695mmに成長している。ホイールベースは、基本のプラットフォームを共有する5シリーズやX5とおなじく、3mまであともうちょっと、という2975mmにまで延びており、つまり新型X6が大きくなったのはベースの5やX5が大きくなったからなのだ。 にもかかわらず、存外コンパクトに感じるのは、ボディのふくらみをあまり感じさせないようなデザインだから、だろう。X5よりも全高が75mm低くて、ライトやグリルが水平方向を強調している。ウェスト・ラインから上だけを見れば、最近のBMWのクーペの文法がそのまま使われていることがわかる。 ヘッドライトはX5と共通だけれど、キドニー・グリルは両端がトンガっていて横方向に広がっている。これも、最近のバイエルンのクーペ系に共通する意匠である。 新しい試みとして、このグリル、光ファイバー技術によってライト・アップされる。「BMWキドニー・グリル アイコニック・グロー」と命名されたこれは、新型X6の標準装備で、たぶん、夜、後ろからやってきたら、すぐに道を譲りたくなるにちがいない。おそらくこれ、ほかのモデルにも採用されるのではあるまいか。 巧みなのは、初代からしてそうだったけれど、スタイリングが実用性を決定的に損なってはいないことだ。 たとえば、リアの居住空間は、X5より全高が低いことに加えて、試乗車は「スカイ・ラウンジ・パノラマ・ガラス・サンルーフ」という37万7000円のオプションを装備しており、天井がさらに低くなっていた。でも、あなたを後ろに乗せて、東京から大阪までいきますよ。ということになれば、筆者は、ちょっと狭いね、というような文句をたまに言うかもしれないけれど、喜んで乗っていく。それぐらいの空間が確保されている。 荷室もまた、ファストバック・スタイルの分、天地方向が浅くなっていて、カタログの荷室容量でいうと、X5の650リッターに対して、X6は580リッターと70リッター少ない。とはいえ、これは比較の問題で、5シリーズ・ツーリングの570リッターよりも広い。気の持ち用、程度の違いしかない。と言い換えることもできる。

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(2020/07/18)