京アニ放火殺人から1年「節目なんてない」被害者父(日刊スポーツ)

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36人が死亡し、33人が重軽傷を負った京都アニメーション放火殺人事件は18日、発生から1年を迎えた。 絵を仕上げる「着色」のプロとして約20年勤めた津田幸恵さん(当時41)を亡くした父伸一さん(70)は「節目なんてない」。心に刻まれた深い悲しみは、癒えることはない。現場となった京都市伏見区の「京都アニメーション」第1スタジオ跡地では、追悼式が開かれた。    ◇   ◇   ◇ 事件発生から1年。大切な家族を失った伸一さんの悲しみは、あの日から何も変わっていない。兵庫県加古川市の自宅で取材に応じた伸一さんは「節目なんてない」と話し、「幸恵はもう帰ってこない」とつぶやいた。 高校時代からアニメ業界を志望し、京アニ入社後は約20年間、彩色担当として活躍した。京都で1人暮らしだった幸恵さんは、毎年、夏と冬には仕事の合間をぬって、帰省した。お土産はいつも決まっていた。伸一さんの大好きなおかきとお茶だった。京都の代表的な「宇治茶」は毎回、種類が違った。 「時間をつくって、選んでくれたようだった。相手のことを思い、気づかいができる子だった」。食事のとき、熱いお茶を入れ、ゆっくりと味わうのが楽しみだった。昨夏、娘は父が切らしていたお茶を持ってくるはずだったが、事件が起こった。宇治茶を切らし、1年以上が過ぎた。いまはもう「娘のお茶」を味わうことができない。 いまでも亡くなる間際の幸恵さんの恐怖を思うと、苦しくなる。「ふとした瞬間に幸恵のことを思い出してしまう…。『最後は怖かったやろ、苦しかったやろ』と思ってしまう」。 青葉真司容疑者(42)へ思いは変わらない。「どうでもええ」。最近は聖書を手にする機会が増えた。読み進めていくと、かつて分かったと思っていた言葉には、違う意味があることも分かった。伸一さんは最後にこう言った。 「悔い改める。これはそんな甘っちょろいものではない」。【松浦隆司】

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(2020/07/18)