なぜ日本のコンパクトカーは大幅に進化したのか? 素直に歓びたいヤリス&フィットの完成度(GQ JAPAN)

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今年2月に相次いで発売されたトヨタ・ヤリス(旧ヴィッツ)とホンダ・フィットがデッドヒートを繰り広げている。 ヤリスとフィットは、どちらも全長が4m弱のコンパクト・ハッチバックで、パワートレインがガソリンとハイブリッドの2本立てになるところまで共通。価格帯も、ヤリスに150万円を切る廉価版が2モデル設定されていることを除けば、どちらも150万円から250万円にかけて広く分布。しかも、これまで何度も名勝負を繰り広げてきたトヨタとホンダの主力製品だから、市場で真っ向からぶつかってもおかしくない。事実、発売のおよそ1カ月後に発表された受注状況を見ると、ヤリスが約3万7000台でフィットの3万1000台超をややリードしているが、それにしても好勝負といって間違いないだろう。 私は幸運にも、2台揃って発売直前のプロトタイプに試乗しているが、そのとき2台に共通項があることに気づいていた。 「トヨタもホンダも走りの質の向上にずいぶん力を入れているなぁ」 ヤリスとフィット(のプロトタイプ)に触れてとりわけ強く印象に残ったのが、このことだった。 たとえばヤリス・プロトタイプの試乗会が行なわれたのは袖ヶ浦フォレストレースウェイという純然たるサーキット。まだナンバーがついていなかったので、クローズドコースでなければ実施できなかったという事情があったにせよ、走りに自信がなければありえない企画の試乗会である。しかも、ヤリスは期待に応えて元気な走りを見せてくれた。ボディ全体の剛性感が高く、限界的なコーナリングを試しても安心感が強い。しかも、そんな走り方をしても足まわりがあいまいな動きを見せないので、ドライバーが正確にコントロールするのは容易と思われた。これは、日常的に使用する車速域が高いドイツ車によく見られる傾向であるものの、高速での安定性よりも低速での快適性を重視することの多い日本車ではあまり見られなかった設定だ。それをトヨタがコンパクトカーの主力であるヤリスで実践してみせたことに深い感銘を受けた。 もうひとつ、ヤリスで驚いたのがハイブリッドの進化。これまでトヨタのハイブリッド・システムは、効率の高さや走りのスムーズさでは世界最高レベルにあったが、それゆえに、走行中に“ちょん”と、スロットルペダルを踏み込んだときにほとんど反応してくれないという弱点があった。つまり、ダイレクト感に欠け

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(2020/07/17)