リニア 国の有識者会議 地下水への影響は?【解説付き】(静岡県)(静岡放送(SBS))
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リニア中央新幹線の工事による大井川の水への影響などを議論する国の有識者会議が7月16日開かれました。専門家からは地下水の影響についてコントロールできるのではないかなどの意見があがりました。
2027年のリニア開業を目指すJR東海ですが、作業基地の整備について県から同意が得られず、開業はかなり難しい状況に追い込まれています。同意が得られない理由の一つに国の有識者会議でまだ結論が出ていないことが挙げられています。4回目となる会議は約1カ月半ぶりに開かれました。JR東海からは、大井川の現状や中流・下流域の地下水の利用状況などが説明されました。委員から、地下水の利用についてピーク時の1980年と比較して減っているデータをもとに、水の需要への影響は大きくないとする意見が出ました。
有識者会議 沖大幹委員「地下水に関しては毎秒2トン弱ぐらいの利用量が減っているのが読み取れるので、心配がないことはないが、気候変動とかあるのでいまと大きく変わらないのではと。るいはコントロールができるのではと思います」
有識者会議 大東憲二委員「仮に地下水の流入量が減るようなことがあれば、全体の水収支をおさえておいて、トンネルの影響が中下流域で使っている地下水の利用に影響があるかないのか、感覚的にはほとんどないな」
南アルプスのトンネル工事の可否にも大きな影響を与える有識者会議ですが、国交省は会議で課題を整理して中間的な報告をまとめていくと方針を示しました。
【解説】
そもそも、有識者会議というのはJR東海と県の議論が難航する中、これまでの議論を科学的に検証し、国交省が、JR東海に対して助言や指導をするために開いているものです。1回目の会議は4月27日に行われ、月に1回のペースで開かれています。この会議の最中、JR東海は準備工事を始めたいとして、6月下旬、知事とのトップ会談が行われましたが物別れに終わりました。事態を見兼ねた国交省が7月上旬、県とJR東海に打開策を提案しました。しかし現時点で県はこれに応じていません。16日の会議は4回目ですが、トップ会談後初、そして国の提案を受けてから初でした。会議では現在、トンネル工事で湧き出た水の戻し方や地下水への影響などを中心に議論しています。県や大井川流域の市や町にとっては最大の焦点ですので、会議の行方が今後の議論のカギとなります。