藤井新棋聖 異次元の終盤力 「名人を超えたい」詰め将棋が原点(産経新聞)

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 【藤井時代 最年少棋聖】  関西将棋会館(大阪市福島区)で16日に行われた「第91期ヒューリック杯棋聖戦五番勝負」(産経新聞社主催)の第4局。控室のモニターに映るのは相手玉を寄せる終盤戦の藤井聡太(17)の姿だ。師匠の杉本昌隆(51)は寄せ切ると確信をもって見つめていた。 【写真】藤井新棋聖の歩み  正確な指し回しと鋭い攻め。特に終盤は「異次元の強さ」と評される。自玉と相手玉の詰みの有無を一瞬で見抜き、無駄なく寄せ切る。類いまれな終盤力は詰め将棋で培われた。そのルーツとなった教室が地元、愛知県瀬戸市にある。  「勝ち方がまさに王道。相手の得意戦型でぶつかって勝ってますね」  名古屋鉄道新瀬戸駅近くの住宅街で「ふみもと子供将棋教室」を営む文本力雄(65)が最近の藤井の強さに目を細めた。  教室に藤井が来たのは、平成19年12月の5歳の頃。祖母に将棋セットを買い与えられてのめり込み、祖母と母に連れられてきた。「女の子のようなかわいい顔をした子だな、と思いましたよ」と振り返る。  教室では「定跡」「詰め将棋」「対局」の3つを重視する。定跡とは最善とされる決まった手順のこと。教室の教科書として、図面や手順が記された480ページの定跡本を子供たち全員に少しずつ覚えさせた。  藤井はまだ、字の読み書きはおぼつかなかったが、1年で覚えた。「図面の形や文字を視覚で覚えたんでしょう。記憶力は抜群でした」  一方、詰め将棋は相手玉を王手の連続で詰ませるパズルのこと。実戦で相手玉の詰みを見つけるのに役立ち、相手玉が王手にどう対応するか考えることで読みの力もつく。  「黙々と解き、スピードも速い。答えは合っているんですが、まだ字がうまく書けないので、先生に字を訂正されていました」。聡太と同じ杉本門下で、幼稚園児だった藤井を知る女流初段の中澤沙耶(24)は笑う。「上級生の感想戦に加わるなど行動力もあった。将棋が大好きな気持ちがにじみ出ていて、いつも輪の中心にいた」という。  小学校入学前後で問題を作るほどになり、「作ったよ」と上級生に持ってきた。小学3、4年生になると40~50手詰めの作品を解いた。「プロでもてこずるレベルですよ」と文本は才能に舌を巻いたという。  対局や詰め将棋で、手ぬぐいで目隠しをするトレーニングも実施。頭の中で駒を動かし、記憶力や集中力を養った

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(2020/07/16)