121人感染の北総育成園ルポ〈後編〉 食事とゴミ処理に苦労(福祉新聞)

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 集団感染が発生した北総育成園では、対策本部の活動が進み、使命の一つ「施設機能の維持」はめどがついた。ただ、「応援者の感染予防」は最後まで気が抜けなかった。  感染リスクが高い赤ゾーンで活動する支援職員は、医療用N95マスク、防護服などを着用。ウエストポーチに次亜塩素酸ナトリウム液を常備し、何かに触ったときはすぐ消毒した。防護服の着脱は、黄ゾーンで専門看護師が行った。入所者を赤ゾーンから出さないために、廊下をワゴンで仕切ったり、職員の少ない夜間は居室に鍵を掛けたりもした。  施設を“病院化”しての活動が続く中、4月下旬から休んでいた職員が徐々に戻ってきた。5月11日には昼食を自園調理できるようになり、14日には施設にいる入所者全員の陰性が確認され、対策本部は活動を終えた。感染した職員は全員が労災申請された。  そんな1カ月半に及ぶ活動の中で特に大変だったのが、食事とゴミ処理だったという。  食事は厨房職員が不足し、4月1日から自園調理ができなくなった。朝食はコンビニのサンドイッチなどで対応したが、昼夕食を届けてくれるはずの弁当店が届けてくれなくなった。「北総育成園に届けるならうちはもう頼まない」といった電話が他の取引先から入ったからだという。  この窮地を救ったのが千葉県知的障害者福祉協会で、1日夜から弁当の手配・配達を近隣施設が担当。食堂や食品加工をしている施設が作った弁当約100食分を、自園調理できる5月17日まで毎日昼夕2回届けた。  ゴミは、契約していた業者が感染を恐れ、3月28日から回収に来なくなり、感染ゴミや一般ゴミが山のようにたまっていった。  感染ゴミは、香取保健所が契約業者に話をし、保健所の費用負担で回収してもらえることになった。一般ゴミは、車で30分かかる香取市のゴミ焼却場まで週2回、資財チームが運んだ。1週間のゴミはペール缶70個。回収場所まで運ぶのが重労働だった。 ■新たな支援の仕組を  集団感染が発生した場合、1法人で対処するのは難しい。  育成園の武井敏朗園長は「職員は本部の指示で動いただけ。行政や知的障害者福祉協会の支援がなければどうしようもなかった」と多様な支援の重要さを指摘。さざんか会の宮代隆治理事長は「災害派遣福祉チームの感染症版など従来と違う支援の仕組み構築が急務」と話す。  一方、行政の役割について船橋

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(2020/07/16)