豪雨の犯人 線状降水帯はどんな時に発生?(ニュースソクラ)

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 熊本では4日未明~翌朝にかけて降った大雨の影響で、球磨川が氾濫し多数の死者・行方不明者が出ている。この災害を受けて、昨年8月の九州北部豪雨や、一昨年の西日本豪雨などを思い出した人も多いのではないだろうか。  今回、球磨川流域で甚大な被害が出たのは、地域に「線状降水帯」が発生したからである。これは九州北部豪雨や西日本豪雨の原因と同じである。722人の死者・行方不明者を出した1957年の諫早豪雨も線状降水帯が原因で、現象としては昔からあった  しかし、知られるようになったのは1990年代で、発生回数や雨量、降水範囲に特段の変化はないものの、近年典型的な例が相次いで発生しているため注目が高まっている。  線状降水帯というのは簡単に言うと「積乱雲の行列」である。積乱雲が単体で雨を降らす場合、夕立やゲリラ豪雨のような非常に激しい雨を降らすものの、降水範囲は狭く、時間も非常に短い。  そのため、洪水などの災害を引き起こすことはあまりない。しかし、線状降水帯では積乱雲が次から次へと発生し、同じ地点に長期的に激しい雨を降らす。そのため、洪水などの甚大な災害を引き起こしやすい。  実際、気象庁気象研究所の津口裕茂研究官の解析によると、1995~2009年に発生した台風を除く豪雨(著しい災害が発生した顕著な大雨現象)のうち約64%が線状降水帯によって引き起こされている。  線状降水帯が生じるメカニズムは未だにはっきりとしていないため、発生を予測するのは難しい。しかし、以下に挙げる4条件が揃うと発生しやすいと考えられている。 1)積乱雲の“素”となる、暖かく湿った空気が継続的に流入している。 2)湿った空気が山の斜面や寒気と衝突し、持ち上げられている。 3)さらに湿った空気を持ち上げるため、上空に寒気が存在している(寒気は重いため上空に入り込むと下降してくる。その際、周辺で生じる上昇気流が温湿な空気を持ち上げる。これは大気が不安定になる前線で生じやすい)。 4)そして、上空に発生した積乱雲を一定の方向に運ぶ風が吹いている。  4日未明の熊本上空では、暖かく湿った西南西風(西南西から東北東に吹く風)が九州北部に停滞した寒気と衝突し、上昇気流が発生していたため、線状降水帯が発生する条件が揃っていた。

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(2020/07/16)