「ほっとした。あとちょっと書かせていただける」…「首里の馬」著者の高山羽根子さんが会見 第163回芥川賞(産経新聞)
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「首里の馬」(新潮3月号)で第163回芥川賞に決まった高山羽根子さん(45)は茶色のワンピース姿で東京都内の会見場に現れた。新型コロナウイルス対策の透明な板が設けられた会見席につくと、高山さんは、時折笑顔を見せながら、穏やかな表情で報道陣の質問に答えていった。
--今の気持ちは?
「平たく言うとほっとしたというか、もうあとちょっと書かせていただけるというか。もう少し書いても大丈夫って思えることができました」。
--昨年、首里城が焼失しました。この小説を書いたきっかけにありましたか
「書き始めたときは、まだ(首里城は)あったんです。書いている途中で(燃えてしまって)びっくりしました。でもすごくアクチュアルなできごとだったので、これは仕上げていかないといけないと思ったのを覚えています」
--今回、物語の舞台に沖縄を選んだ理由は
「ここ数年で何回か沖縄に行かせていただくことがありまして。その場に行かないと書けないような人間ですから。行った経験が先にあって、それから生まれた形になります。書こうと思って行ったのではなくて、行かせていただいた縁というか」
--作品には馬に乗るシーンがあります。乗馬の経験は
「もともと大きい動物が得意ではありません。動物は見るのも好きですし、動物園も好きですが、人より大きい動物はちょっと…。(馬は)ずっと長く使役されている動物ですので、能力はすごく高いと思うんですが、怖さは割とある。人間以外の生き物を書くときはそういう怖さみたいなものも含めて書きたくて。手にあまる大きさのものと女性、人間のなかでもそれでほど大きくないものとのやりとりを書きたいというのはありました」
--リモートワークを彷彿(ほうふつ)させる場面があった。今の時期での芥川賞受賞について
「想像もつかないようなシンクロの仕方をしてしまった。特に沖縄は場所に対する意味がすごく強い場所。今のこの技術を使えば地球上であれば、ある程度のところはつながることができる。(それについて)困難みたいなものとか怖さとか、気味悪さとか、不安とか不穏とかは絶対出てくる。そういうものも含めて書いていけたらいいなって気持ちは強くあります」
--候補3回目での受賞。野球がお好きということですが、今の状況を野球でたとえると
「それこそ、別のプレーボールがかかった感