尖閣への主張、台湾与野党で温度差 台湾・副総統(産経新聞)

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 7月3日夜、台湾の野党、中国国民党の地方議員ら十数人が、沖縄県石垣市議会が尖閣諸島の住所地表記を変更する議案を可決したことに抗議し、北東部・宜蘭(ぎらん)県の漁港で漁船に乗り込み尖閣に向かおうとした。だが、出発直前、海洋委員会海巡署(海上保安庁に相当)に船員証の不所持などを理由に阻止された。  尖閣諸島の領有権を主張する台湾では、石垣市が6月下旬、同諸島の住所地に「尖閣」を明記すると決めたことで波紋が広がった。国民党は、謝長廷(しゃ・ちょうてい)駐日代表(大使)の召還を求めるなど強硬姿勢を示した。  一方、与党の民主進歩党は冷静に対応している。蔡英文総統は「一方的な行為の停止を望む」と口頭で日本側に抗議したが、総統府の報道官は「大陸(中国)公船による関連海域での長期の活動が今回の波風を引き起こした」と語り、中国にも非があるとの見方を示した。  宜蘭の漁民の間では従来、尖閣周辺は日本統治時代からの伝統的な漁場という理由から対日強硬姿勢への支持が多かった。だが、2013年の日台漁業取り決めの締結で漁業権が確保され、抗議活動に参加する人は激減したという。  尖閣をめぐっては、戦前から台湾で暮らす「本省人」と第二次大戦後、中国大陸から渡ってきた「外省人」との間で温度差がある。本省人の李登輝元総統は、退任後に「尖閣は日本の領土だ」と主張。同じく本省人の呂秀蓮(ろ・しゅうれん)元副総統も「この問題で日本ともめるべきでない」と強調した。中国からの脅威に対抗するため、尖閣の領有権の主張を棚上げにして、日本と良好な関係を築きたいという考えだ。  1月の総統選で蔡氏が再選された後、外省人系の支持が多い国民党の影響力は急速に低下している。李氏や呂氏の考えが今後、台湾で広がることを期待する。(台北 矢板明夫)

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(2020/07/15)