NYタイムズ、香港拠点の一部をソウルに移転へ(CNN.co.jp)
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香港(CNN Business) 米紙ニューヨーク・タイムズは15日、中国政府が施行した「香港国家安全維持法」への懸念から、香港に置いているアジア拠点のスタッフを一部、韓国のソウルへ移すと発表した。
同紙はこの方針についての記事で、中国による香港の統制が強化されたことを受け、地域の拠点をほかにも設ける必要があるとの判断に至ったと述べた。
移転するのはアジアのデジタルニュース部門で、香港にいるスタッフのおよそ3分の1が該当する。
事情に詳しい関係者によると、移転に関する内部通知のメールは14日夜から翌朝にかけて送信されたが、15日にツイッター上に情報が共有されたのを見て、初めて知ったスタッフもいたという。
香港はこれまで、中国本土の近くにありながら言論の自由が守られ、ビザも取りやすいなどの利点から、アジアにおけるメディアの中心地と位置付けられてきた。NYタイムズのほかCNNや米ブルームバーグ、仏AFP通信、英フィナンシャル・タイムズ、米ウォールストリート・ジャーナルも、ここにアジア地域の拠点を置いている。
今月1日に施行された新法は言論、報道、出版などの自由が守られるとする一方で、国家機密の漏えいを犯罪として扱うことを明記している。中国本土ではこれを理由に、ジャーナリストらが拘束されてきた経緯がある。
香港でメディアの管理を担当する新設機関がどのように運営されるのか、ジャーナリストへのビザに本土と同等の厳格な規定が適用されるのかなど、懸念事項は多い。
AFP通信やウォールストリート・ジャーナルの内部で、移転の可能性を含めた将来の見通しが検討されているとの情報もある。
NYタイムズの移転先としては、ソウル以外にバンコク、シンガポール、東京も検討された。最終的に、外国企業への待遇や報道の独立性、アジアの主要ニュースに果たす中心的な役割などから、ソウルが選ばれたという。