「夜の街」感染拡大抑止に地元商店会動く さいたま・大宮南銀座(産経新聞)
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「接待を伴う飲食店」での新型コロナウイルスのクラスター(感染者集団)発生が相次ぐさいたま市大宮区の繁華街「大宮南銀座」で、汚名を返上しようと地元の商店会が立ち上がった。キャバクラ店などを商店会のメンバーが巡回、感染防止対策が十分かを確認し、徹底されていると判断した店を認定する独自の制度を導入したのだ。取り組みの底流には、愛する街を守りたいという関係者の切実な思いがあった。
「ナンギン」の愛称で親しまれる大宮南銀座では、これまでにキャバクラ店とホストクラブ計3店舗でクラスターが発生したと認定され、15日時点で従業員と客計41人の感染が判明している。
「これ以上感染が広がれば街が死にかねない」
「大宮南銀座商店会」の事務局長、渡辺秀夫さん(51)がこう語るように、何らかの手を打たなければ取り返しのつかない事態になるという危機感は地元で日増しに高まった。
そこで同商店会は、「入店時に検温を行っている」「密にならない環境を整備している」などの12のチェック項目をまとめ、全てを満たしている店舗を「感染予防対策実施店」として認定することにした。認定された店舗は「安心宣言」と記されたステッカーを店頭に掲げる。
認定第1号となったラウンジ「ほの穂」は、飛沫(ひまつ)感染を防ぐために客席をビニールシートで区切り、グラスの上にコースターを置くなどの対策を講じている。「感染防止の徹底はお客さんと働く女の子の双方にとって安心材料になる」とママの穂乃加さん。14日に認定を受けたキャバクラ店「アンジュ」は、ドリンクの提供時にマドラーを使い分けることなどを徹底しており、マネジャーの鷲谷愛さんは「ナンギン全体で感染対策を講じることを常識にしていかないといけない」と話す。
とはいえ、商店会による取り組みを快く思わない向きもあり、一部の飲食店からは「なぜここまでやる必要があるのか」という反発の声も上がったという。
渡辺さんは「繁華街に店舗を構える以上、感染対策は義務だ」ときっぱり言い切り、こう続けた。
「将来的には他の繁華街の最高水準がナンギンの最低水準になるぐらい、対策を徹底していきたい」
(竹之内秀介)