【萬物相】韓国の性犯罪の量刑(朝鮮日報日本語版)

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 法院(裁判所)100年史で紹介された過去の判決の中に、「強制キス舌切断事件」がある。性犯罪の犯人の舌を噛み切った18歳の女性が傷害罪で処罰され、犯人は釈放された事件だ。法的には「正当防衛」が争点となったが、性犯罪に対する当時の裁判所の考え方が垣間見える。「純潔を守るために、若い青年を一生障害者に」「犯行の場所までついていったのは異性に対する好奇心の致すところ」「キスの衝動を呼び起こした道義的責任」…。判事が性犯罪の犯人を弁護し、被害者を加害者に仕立て上げた。裁判所の黒歴史と言えるだろう。  数十年の月日が流れ、「性的自己決定権」が強調され「性認知感受性」(性差別のある社会で、声を上げにくい被害者の心理を考慮すること)による判決が下される時代になった。ところが、判事たちの「加害者弁護」は依然として残っているようだ。初犯だからと処罰を甘くし、反省しているからといって釈放する。「面倒を見るべき家族がいる家長」だからと執行猶予を付け、さらに「前途有望だ」といって減刑してやる。「被害者と合意せよ」としながらも、性暴力相談所に寄付したからとまた処罰を軽くする。性犯罪は再犯率が最も高い犯罪だ。加害者に対する温情判決のせいだろう。  性犯罪の法定刑は年々重くなっている。未成年の性的暴行、動画制作、成人相手の強姦致傷罪は「無期懲役または懲役5年以上」となっている。殺人罪の量刑に近い。地下鉄での盗撮も最高で懲役5年が下される。性犯罪に最も厳しい米国と比べてもそんなに低くない。しかし、実際に裁判所まで行くと話が変わってくる。一昨年、未成年相手の性犯罪者の48.9%が執行猶予で釈放された。14.4%は罰金刑だった。法は法、裁判は裁判なのだ。  数日前、裁判所が世界最大の児童ポルノサイトを運営していたソン・ジョンウ氏の米国送還を認めないと決定した。昨年、ソン氏には懲役1年6月の非常に軽い判決が下されたことも伝えられ、国民の怒りが噴き出した。生後6か月の乳児までじゅうりんしていたが「幼いとき生活が苦しかった」「扶養家族がいる」という理由で刑が大幅に軽くなった。判決の2週間前にソン氏が出した婚姻届が偽造だとの疑惑まで噴き出した。米国なら無期懲役か30年以上の懲役だという。  性暴力を受けた児童の脳は、正常な児童より15%小さく、特に記憶と感情をコントロールする海馬部分の損傷が大きいとい

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(2020/07/09)