第一人者の貫録 井山が本因坊9連覇、芝野破り歴代2位タイ(産経新聞)

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 囲碁の第75期本因坊戦七番勝負(毎日新聞社主催)の第5局が8、9の両日、三重県鳥羽市で行われ井山裕太本因坊(31)が243手までで、挑戦者の芝野虎丸三冠(20)に白番4目半勝ちし、対戦成績4勝1敗で9連覇を達成した。本因坊9連覇は趙治勲(ちょう・ちくん)二十五世本因坊(64)の10連覇に次ぐ歴代2位タイの記録。棋聖・天元とあわせ3冠を堅持し、タイトル獲得は通算60期になった。先月26日に十段を奪取し名人・王座とあわせ3冠で並んだ芝野は、タイトル戦挑戦4戦目で初めて敗退した。  第一人者の貫禄を見せつけた。第4局(6月30日、7月1日)こそ挑戦者の芝野が一矢報いたが、開幕から3連勝。そして第5局も堂々と打ち回した井山が、大記録に並んだ。  「9連覇に関しては、よくここまで来られたなというのが率直な感想。それよりも最も強い芝野虎丸三冠相手に、いい結果を出せたことはすごくうれしく思います」  昨秋、井山が持つ七大タイトル獲得の最年少記録を更新する19歳11カ月で名人を獲得した芝野は、続く王座戦では井山を破り最年少2冠になった。「間違いなく日本を代表する棋士」と井山がうなった若武者との第2ラウンドは、2日制(持ち時間各8時間)の長丁場。素早い決断が求められる3時間の十段戦や王座戦とは異なり、本因坊戦では序盤からじっくり考えられる。  井山の構想力が特に表れたのが第2局だった。序盤から積極的な打ち回しを見せ優位に立つと、そのまま押し切った。両者ともに持ち時間を1時間以上残して…つまり芝野の反撃する気力をそぎ、午後4時14分という異例の早さでの決着になった。  「持ち時間が短い早碁のほうが得意だが、井山さんと2日制の対局を打てるのは楽しみ」と話していた芝野だが、今回は百戦錬磨の経験に屈した形だ。  日程も井山の有利に働いた。例年、名人・王座・天元戦のタイトル戦が次々に実施される10月~12月は、各地を移動しながら対局する過酷なスケジュールが常だ。一方、今春は3月までに棋聖戦8連覇を達成。続く十段戦は挑戦者決定戦で敗退していたため、大きな対局は本因坊戦七番勝負と名人戦リーグくらいだった。しかし新型コロナウイルスの感染拡大を防止するため4、5月の対局が休止に。  「ずっと家にいて、ネット対局などの研究に励むことができた。ちょっと太ったかも」と話したように、感染にさえ

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(2020/07/09)