超新星残骸「カシオペヤ座A」を残した恒星には伴星があった可能性(sorae 宇宙へのポータルサイト)

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佐藤寿紀氏(理化学研究所)らの研究グループはチャンドラの観測データをもとに、超新星爆発を起こしてカシオペヤ座Aを残した恒星の性質を分析しました。その結果、カシオペヤ座Aを残した恒星には未発見の伴星が存在していた可能性が示されたといいます。 今回、研究グループは爆発前の恒星が誕生した時の金属量(水素やヘリウム以外の元素の量)を調べました。佐藤氏が「星の最期に影響します」と語るように、形成時の金属量は恒星の進化に影響を与えるとされているためです。観測データから得られた超新星爆発時のマンガンとクロムの比率をもとに、カシオペヤ座Aを残した恒星が誕生した時の金属の比率を推定して太陽と比べたところ、太陽よりも金属の比率が低い恒星だったことが判明したといいます。 カシオペヤ座Aを残した恒星は水素でできた外層を失ってから超新星爆発を起こしたとみられており、その原因としては自身の恒星風によって外層が周囲に放出されたり、伴星との相互作用によって外層が剥ぎ取られたりしたことが考えられます。研究グループでは、金属の比率が低い恒星では恒星風が弱く外層を失わせることができないとみられることから、カシオペヤ座Aを残した恒星の場合は伴星によって外層が剥ぎ取られた可能性があると考えています。 これまでのところカシオペヤ座Aにおいて伴星の存在は確認されていませんが、佐藤氏は「伴星がブラックホールや中性子星、白色矮星といった天体だったために見つかっていないのかもしれません」とコメント。今回の成果がカシオペヤ座Aの起源を探る研究に新たな道筋を示し、超新星爆発の理解につながることを期待したいとしています。

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(2020/07/07)