「地域に尽力」「家族同然」「明るく元気」豪雨犠牲者しのぶ(産経新聞)

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 「地域住民の命を守る」「釣り好きな豪快な人物」「とにかく明るく元気」…。熊本県南部の豪雨では、地域で愛されたり、友人らに慕われたりした多くの人が犠牲となった。 【写真】「家の一部が流された」大量の泥水が住宅地に  ■地域消防に尽力  同県人吉市下林町で犠牲になった後村多佳志(あとむら・たかし)さん(62)は昭和55年から地元の消防団に所属。熱心に活動し、近隣の消防団を束ねる「方面隊」の隊長などの役職を歴任した。引退後も市の消防委員や「防災サポーター」として地域の安全を気にかけ続ける一方、一緒に暮らす孫と愛犬をかわいがっていたという。  後村さんと交流があった同消防団の下林聖侍(せいじ)さん(42)によると、地元の米焼酎を好み、若手の団員に過去にあった火事や災害について話して聞かせることも多かった。消防団の心構えとして「団員の命も、地域住民の命も、同じくらい大事だ」と口癖のように後輩たちに伝えていた。  そんな後村さんについて4日午後、下林さんは顔を合わせた後村さんの娘が首を横にふるのをみた。その後、消防団の詰め所で悲報を知った。  被災から2日が過ぎても人吉市では不安定な天候が続く。消防団の詰め所の周辺にも泥につかった家々が多い。消防団の制服に身を包み、地域の見回りなどの活動を続けている下林さんは「地域の安全に強い責任感を感じていたのだと思う。団員には優しくも厳しくもあった。今でも亡くなったことが信じられない」と唇をかんだ。  ■土砂に家ごと流され  芦北町小田浦で夫婦で犠牲になった川田武人(かわた・たけと)さん(72)と妻の節子さん(69)は10世帯ほどの小さな集落で暮らしていた。  近隣住民によると、4日午前4時すぎ、川田さんらが暮らす家に、裏山から大量の土砂と木が一気に流れ込んだ。家は5メートルほど下流に押し流され、土砂は田んぼまでのみ込んだ。  幼なじみの野口一司さん(71)らが「人が埋まっとるけぇ、何とかしてくれ」と警察に通報。住民らでも救助を試みたが作業は進まず、自衛隊などが駆け付けた後、遺体が発見されたという。  武人さんは釣り好きで、自分の釣り船で沖に繰り出しては「食べるかい?」と魚を近所に配って回った。野口さんは「小さい時にはようけんかもしたけど、大人になってからは家族のような存在だった」と話す。  節子さんも畑で取れた野

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(2020/07/06)