比、反テロ法で暗黒時代に回帰(Japan In-depth)

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フィリピンのドゥテルテ大統領は6月3日、「反テロ法」に署名した。同法はすでに上院、下院議会をそれぞれ通過していたため、大統領のこの日の署名をもって成立となった。 テロとの戦いをより積極的に進め、国民をテロの脅威から守ることを目的とする「反テロ法」と政府側は説明するが、治安当局などに大幅な権限拡大を与えるその内容から、恣意的運用でテロ組織やテロリストだけでなく反政府運動や人権活動の団体や個人にも厳しく臨む道を開き、ひいてはドゥテルテ政権の“独裁的強権政治”につながりかねないとの批判が渦巻いている。 「反テロ法」は5月以降、下院、上院で賛成多数で可決し、あとは大統領の署名を待つだけの状態だった。この間、マニラ市内では人権団体や学生組織などによる「反テロ法反対」のデモや集会が続き、国連人権高等弁務官など国際社会からもドゥテルテ大統領に同法案への署名を思いとどまるよう求める声が高まっていた。 大統領府のハリー・ロケ報道官はこうした反対の声に配慮、地元紙に対して「ドゥテルテ大統領は時間をかけてこの法案をあらゆる角度から検討した上で署名した。この法案は長年フィリピン国民を苦しめ、悲しみと恐怖を与えているテロへの政府の強い意志の表れである」と述べ、改めて国民各層に対して新法への支持と理解を求めた。 ■ 令状なしの拘束、監視、盗聴が可能に 3日に成立した「反テロ法」は、大統領が任命した閣僚などで構成される反テロ組織がテロリスト、テロ組織と認定した団体や個人を「令状なしで最長24日間拘束することができるほか、90日間監視、盗聴が可能」になる。 これはフィリピン憲法の「令状なしの拘束は最大3日まで」というこれまでの規定を大幅に延長したものであるとともに「憲法の規定との整合性」も問題となる可能性がある。 さらに同法では「スピーチ、文章表現、シンボル、看板や垂れ幕などでテロを主張、支持、擁護、扇動した場合も反テロ法違反容疑に問われる可能性」があることから、表現の自由や報道の自由が侵害される危険性が潜んでいると反対派は主張している。 同法違反で逮捕、起訴そして有罪が確定すれば最高で仮釈放なしの終身刑が科される可能性があるという。

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(2020/07/05)