ランボルギーニのトラクターで芝を刈った!──連載「西川淳のやってみたいクルマ趣味、究極のチャレンジ 第3回」後編(GQ JAPAN)

【リンク先抜粋】
都内からウルスで東北道を北上する。650psを発揮する4リッター直噴V8ツインターボエンジンを積んだSUVはランボルギーニの名に恥じない、つまりはスーパーカー顔負けのパフォーマンスを誇るが、高速道路をゆったりクルージングするにも最適なGTである。8AT+電子制御4WDシステムのおかげで、どこからでも恐ろしいくらいの中間加速をみせるから、かえって余裕をもって走行車線をクルーズできた。こちらからガンガン追い越し車線を攻める必要はない。どこからでも掛かって来いや! という気分で坦々と走っていられる。何なら気筒休止システムさえ働いている。近頃の高性能車とは、そういうものなのだろう。 途中で以前にトヨタ2000GTでお世話になったオートロマンに立ち寄った。撮影用のカウンタック クワトロバルボーレを借りうけるためだ。サンドベージュというユニークなボディカラーの個体で、おそらくはランボの初代SUVのプロトタイプ、チータのイメージに似せたものだろう。新車時にナニ色だったか。クラシックカーの相場を決める今や重要な要素である。 カウンタックとウルスという新旧猛牛のマニアも羨む組み合わせで赤城山を目指した。ウルスから走るカウンタックの姿を眺めるというのも一興だったろうが、ドライブするならカウンタックのほうが楽しいに決まっている。V12エンジンを背負って、その盛大なメカニカルノイズを浴びながら、寝そべって地を這うように走る。エンジンの存在を身体全体で感じる。キャブレターが吸って吐くエンジンの盛大な呼吸。感覚的には空気が右アシ先から入って腑で増大し背中へと抜けていく感じ。自分の身体が吸排気によってエンジンに飲み込まれてしまうようだ。 その結果、マシンの力の発揮と乗り手の操作とが渾然一体となる感覚は、カウンタックでしか味わえない。それ以降のディアブロ、ムルシエラゴ、アヴェンタドールでは、もう少しクルマが快適なのだ。カウンタックはやはり唯一無二の存在である。 カウンタック・ドライブを久しぶりに楽しんでいると、アッという間に目指す“楽園”に辿り着いた。林牧場である。 そこは元々ドイツ村テーマパークがあった場所で、17年末に閉園したものを林牧場が買い取り、現在は本社および研修施設として使っている。自然に囲まれた広大な敷地内ではオンでもオフでも何でも走らせ放題(にみえる)。筆者からすれば“楽

続きはこちら

(2020/07/05)