ジーン・クレールがインディーズを語る──私たちは自由だ。それが独立だ(GQ JAPAN)

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私はアルベール・カミュが好きなのだけれど、今回は彼が書いたなかでも屈指の文章を引くことから始めたい。 「反抗的人間とは何か? ノンと言う人間である。しかし、その拒否の言葉に断念の意は含まれない。そして、ウイと言う人間でもある。反抗の姿勢を見せるその瞬間から」 テクノロジー嫌いを自認している私は、それでもインスタグラムを使っている。それを偽善とは思わない。なぜならインスタグラムのもともとの目的は、写真や動画を通して会話の種をまくことだと感じているからだ。しかし、いまでは私たちの個性と尊厳を奪い、どのように生きるかをフォロワーが決める世界を作り出す装置となってしまっている。このことから言えるのは、善人を盲目的かつ堕落した極悪人に変えてしまうのは、欲望と権力ということだ。 私はいつでも自由の闘士であろうと務めてきたが、それが果たせなかったことが何度もある。それでもやはり、われわれ人間は大きな志や良心をさまざまな形で示してきた。次に挙げるのは、私がその生き方を敬愛する人々であり、私自身の考え方にもっとも深い影響を与えた人々だ。 ソクラテス。人々に思考せよと教え諭すことが自分にできることだと信じ、人生とは幸福の追求であると信じていた。そして、自らの思想に背くよりも死を選んだ。アルベール・カミュ。彼は自らの人間愛と知性を、仲間を卑しめるために使うことは決してなかった。宋慶齢。人々への愛に突き動かされた彼女の生き方は、私を導き続けている。エルドリッジ・クリーヴァー。その不朽の名作『氷の上の魂』は、アメリカで黒人であるとはどういうことかをありのままに教えてくれる。のちにクリーヴァーは自らの著作を批判するようになるのだが、現役時代の彼はまさに巨人だった。ガンジー。彼は目的を達成するにあたって暴力以外の方法があると世界に示してくれた。 ネルソン・マンデラは、敵を許すことは人間愛と勇気による行動だと教えてくれた。ルース・ベイダー・ギンズバーグはジェンダーの平等について、いまなお闘い続けている。アルチュール・ランボーは美しい作品を著し、社会通念に支配されることを拒んだ。アイ・ウェイウェイは自らの信じるところを実現し、それを広く伝えるために、自らの文化を捨てざるをえなかった。ギー・ドゥボールは、名著『スペクタクルの社会』を通じて商業主義とマスマーケティングの危険について予言的な考察

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(2020/07/05)