中国SF「三体II」翻訳に参加 函館高専教授の泊さん(函館新聞電子版)

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 異星人と人類の科学技術による闘争を描いた中国のSF小説「三体」シリーズの続編「三体II」(劉慈欣=りゅう・じきん=著、早川書房)の日本語版が発売された。同書の下巻では、函館高専教授の泊功さん(53)が日本語訳にかかわり、中国SFの世界観をそのままに著している。(飯尾遼太)  2008年に中国で出版された三体は、全世界で2000万部を超える大ヒット。昨年7月には日本語版が発売となり、10万部を超える売り上げを記録した。物語では恒星が重力で結びついた三重星系に住み、地球文明よりも高度な科学技術を持つ三体星人が地球への移住を計画。研究者たちの英知を結集した国を挙げての三体星人との闘争が繰り広げられる。  泊さんは青森県むつ市出身。大学卒業後、函館ラ・サール高校で国語教員として教べんを取り、02年からは2年間、大学時代から専門としてきた漢詩を究めようと、中国吉林省の大学院で博士号を取得。現在は同高専で北海道にゆかりのある江戸~明治期の武士階級の漢詩を主に研究対象としている。  泊さんとSF小説との接点は中国の大学院時代の指導教員の専門分野がロシアSFや日本文学を中心とした文芸学であったことがきっかけで、教員からの誘いで昨年から中国SFの翻訳に取り組んでいる。昨年11月には中国四川省・成都で開かれた中国SFのシンポジウムに参加。そこで三体の日本語版を手掛けた早川書房の担当者から誘いを受け、三体IIでは中国語から日本語への直訳担当が決まったが、泊さんは「世界的な作品で、本当に私でいいのかという気持ちだった」と振り返る。  泊さんは同巻のクライマックスとなる第3部の翻訳を担当。昨年12月末~2月にかけて作業に取り組んだ。「現代的な口語表現も多く、中国に住む友人のアドバイスを受けた。科学的な説明が多くならないようにし、SF小説として仕上げることも意識した」と話す。  同シリーズの続編となる三体IIIは来年初夏ごろの出版を目指しており、泊さんも引き続き翻訳に携わる。「翻訳作業中は自分も結末がどうなるのか気になりながらやっている。IIIでは予想外の展開が待っているので期待してほしい」とPRする。

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(2020/07/05)