苦しんだ感染者の家族 心ない言葉の中、厚意も【新型コロナ 検証第1波】(@S[アットエス] by 静岡新聞SBS)

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 静岡県内の男性が新型コロナウイルスに感染した4月、男性が住む地域ではたちまち感染者捜しが始まった。「コロナなの?」「私たちにうつったらどうしてくれるの?」-。家族の元には電話や会員制交流サイト(SNS)による心ない言葉が寄せられた。  感染という思いも寄らない出来事に動揺した家族。周囲に事実を伝えることなど到底できなかった。「ただそっとしておいてほしかった」。男性の妻は当時の心中をそう振り返った。  タレントの志村けんさんが亡くなったことも不安を増幅させた。「とにかく命を助けて」と祈る思いだった。「若いけど腕がいい先生だから。安心してくださいね」。看護師から言われた一言に、どれだけ心が救われたか分からない。  濃厚接触者に認定された家族は、約2週間の自宅待機となった。毎日体温を測定し、保健所に報告した。地域ではありもしないうわさが飛び交っていた。誹謗(ひぼう)中傷の書き込みが広がっていると耳にしたSNSはあえて見なかった。責めるように感じた周囲の視線や感染したことへの申し訳なさから、毎日涙が止まらなかったという妻。食事は喉を通らなかった。  だが、つらいことばかりではなかった。外出できないからと、友人や近所の人たちが食料品や日用品を自宅に届けてくれた。「一見、悪いことも神様からのギフト。悪いことを言う人は無視無視!」「周りには守ってくれる人がいっぱいいるから大丈夫」。手紙や無料通信アプリLINE(ライン)のメッセージにも勇気づけられた。  家族は全員陰性でその後、時間とともに家庭内も平穏を取り戻した。コロナはほとんどの場合が軽症であると国も専門家も発信している。感染を恐れて、心ない言葉を投げかけられた一方で、身近な人たちから受けた厚意-。「未知のウイルスに、人は自分を、家族を守ろうという意識が働くのでしょう。人の温かさに触れた一方で、弱い部分も見えた気がする」。感染症におびえる人たちの様子を目の当たりにした日々を、妻はそう振り返った。

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(2020/07/05)