ブラジル大統領、マスク義務化法案に拒否権 貧困層への配布も拒否(BBC News)
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ブラジルのジャイル・ボルソナロ大統領は3日、新型コロナウイルス対策として公共の場でのマスク着用を義務付けた法案について、一部条項の削除を求めた。
ボルソナロ大統領は店舗や教会、学校でのマスク着用義務化に拒否権を行使。自宅でマスクをつけていないことを理由に罰金を科されかねないと、ソーシャルメディアで主張した。
米ジョンズ・ホプキンス大学の集計によると、ブラジルのCOVID-19(新型ウイルスによる感染症)の感染者数は約154万人、死者数は6万1800人超と、いずれも世界で2番目に多い(日本時間4日午後1時時点)。
ボルソナロ氏は事態の重大性を認めていない。
BBCのケイティ・ワトソン南米特派員は、ボルソナロ大統領は以前からマスクが好きではなかったと指摘する。
ブラジルでは、政府の新型コロナウイルス対応への評価と同様に、マスク着用の是非がきわめて政治的な問題と化している。
たとえマスク着用が義務の場所でも誰もがルールを守っているわけではなく、着用ルールはあまり徹底されていないと、ワトソン記者は言う。
下院で可決されたマスク着用義務化法案には、「商業および工業施設、礼拝施設、教育施設、大勢が集っている閉鎖空間」でマスクを着用しなくてはならないという条項が含まれる。
ボルソナロ氏は3日、財産権の侵害につながる恐れがあると主張し、この条項に拒否権を行使した。
また、貧困層へのマスク配布を義務付ける条項も拒否した。
議会が今後30日以内に絶対多数で同意すれば、ボルソナロ氏の拒否権を覆すことができる。
■感染対策より経済優先
ブラジルの連邦裁判所は先月、ボルソナロ氏に対し、首都ブラジリアとその周辺地域の公共の場でマスクを着用するよう命じた。しかしその後、ボルソナロ氏がこれを不服として控訴し、判決は無効となった。
ボルソナロ氏は新型ウイルスのパンデミック(大流行)の発生当初から、新型ウイルスそのものより、感染拡大を食い止めるための制限による経済的打撃の方が大きいと主張してきた。
6600人以上が死亡しているリオデジャネイロでは2日夜、バーの営業が認められた。
ダヴィド・ミランダ連邦下院議員は、同市のレブロン地区の路上で、数十人がマスクを着けず、社会的距離を保たない状態で酒を飲んでいる写真をツイッターに投稿した。
「予言されていた悲劇だ」
「経済