正体は気象観測用気球? 消えた「謎の飛行物体」が残した課題とは…(産経新聞)

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 あれは気球か、気象観測機器か、それとも…。仙台市上空で6月、正体不明の白い球体が確認され、大きな話題を呼んだ。半日ほどで見えなくなったが、誰が何の目的で飛ばし、どこへ消えたのか。「謎の飛行物体」の正体を追うと、思わぬ安全保障上の「盲点」も浮かび上がってきた。(荒船清太)  ■ゆっくり移動  6月17日早朝。仙台市上空の晴れ渡った空に見慣れない白い点が見えるのを、国土交通省仙台空港事務所の職員が発見した。白い球体のような形をしており、間もなく一般の目撃者からも同様の通報が相次いだ。  この辺りの上空には、航空法で必要な気球などの飛行の届け出はなかった。同事務所の担当者は「周辺の航空機に対し、『飛行物体があるので気を付けるように』とアナウンスはした」と振り返る。  同事務所などによると、物体は上部が白い球体で、下部には十字型の機器のようなものが付いていた。宮城県警によると、仙台市内で目撃される前、同市の南西にある同県亘理町で目撃情報があり、正午ごろには同市北東の同県石巻市で目撃されたという。  物体は太平洋方面に移動。空が曇り始めたのに従い、行方しれずになった。  ■研究者が飛ばした?  謎の飛行物体の正体をめぐり、インターネット上などでは「UFO?」「気球ではないか」など憶測が広がった。  三重大大学院の立花義裕教授(気象学)は、見た目などから、気象観測用の気球「ラジオゾンデ」ではないかとみる。  ラジオゾンデは、球体部分にヘリウムを詰めて下部に観測装置やデータを発信する無線装置を乗せて飛ばし、上空の気象情報を収集する機器だ。一定高度に達すると気圧で膨張し破裂、パラシュートなどで地上に落ちるが、穴が開くとヘリウムが漏れて破裂する高度まで昇れず、浮遊し続けることがまれにあるという。  ラジオゾンデは気象庁のほか、研究者が主に扱うが、立花教授は「今回、国内の研究者で飛ばした人は思い浮かばず、海外の研究者ではないか。ラジオゾンデは1000キロ以上飛ばせるので、北東アジアのどこかの国から偏西風に乗ってきた可能性がある」と推測する。  ■情報収集も対応せず  謎の飛行物体をめぐっては、警察当局や防衛省も情報収集に追われた。河野太郎防衛相も6月19日の閣議後記者会見で「レーダー、その他で警戒監視を続けております」と明かしたが、結局、脅威とは判断しなかった

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(2020/07/04)