政府の石炭火力縮小方針に産業界も戦々恐々(産経新聞)

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 政府が打ち出した非効率な石炭火力発電所の段階的な休廃止方針について産業界は経営へのインパクトを懸念する。電力大手だけでなく、自家発電で石炭火力を活用している企業も多いうえ、電力の利用者の立場からみれば収益悪化につながりかねない電力料金の値上げを招く可能性があるからだ。突然の方針表明で詳細が決まっていないことも不安材料となっている。  「石炭火力発電は中長期的に環境負荷を低減させながら使っていくベース電源で、資源の乏しい日本にとって廃止は死活問題」  大手電力の幹部はこう語り、今回の方針が設備の廃棄やそれに伴う会計処理などで電力各社の経営に打撃を与えるだけでなく、産業全般に影響が及ぶとする。  売電用に神戸市内で石炭火力発電設備2基を運営し、さらに現在2基を追加で建設している神戸製鋼所では、新しい設備のため、「休廃止の対象にならない」とみている。一方、子会社が3基の石炭火力を保有している伊藤忠商事は「休廃止の対象になるかは現時点では分からず、選別基準がどうなるかを注視する」という。化学業界なども含め、古い石炭火力発電設備を保有する企業も多く、戦々恐々だ。  さらに電力料金値上げとなれば産業界全般に影響が及ぶ。日本商工会議所の三村明夫会頭は「東日本大震災で多くの原子力発電所が稼働停止となった際、30%程度電力料金は上がり、特に中小企業には大きな打撃になった」と振り返る。原発と同様に、低コスト電源である石炭火力の減少で同様の事態が起きる可能性を指摘した。

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(2020/07/03)