「いつでもここに」願い込め 岡山・真備に避難所付き共同住宅(産経新聞)

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 平成30年7月の西日本豪雨で知人を亡くした女性が、悔やむ思いを胸に6月、岡山県倉敷市真備(まび)町箭田(やた)に、地域に根差した避難機能付き共同住宅を開所した。車いすで2階に避難できるスロープを設け、避難スペースは地域交流の場として開放、入居者には「災害時は避難者を受け入れる」との同意事項も設けた。高齢者ら向け小規模多機能ホームの「ぶどうの家真備」代表の津田由起子さん(55)は「ここで普段からお互いの関係を築き、もしものときに避難しやすい場所にしたい」と意気込む。  豪雨で1階部分が浸水した鉄骨2階建てアパートを改装。住居部分は1階4戸、2階3戸の計7戸で、2階の1戸分を避難所とし、6月6日にオンラインで開所式を行った。  改装には3千万円強かかったが、クラウドファンディングで賛同者から資金を集めた。「災害弱者の住まいや交流拠点、一時避難所とする狙いは防災まちづくりの観点でモデル性がある」と評価され、国土交通省の補助対象にもなった。  2階の避難所は室内の間仕切りを取り去り、普段は住人や近隣住民がイベントなどで交流できるスペースとした。「避難所は建物だけがあってもだめ。日頃から行き慣れていることや、何かあればすぐに立ち寄ることができる人間関係を作っておくことも重要」と津田さんは話す。  特徴的なのは、駐車場から2階に伸びる大きなスロープ。車いすに乗ったまま避難所に入ることができるという。スロープを設けたのは「水害では自宅の2階に逃げる『垂直避難』も有効とされるが、西日本豪雨では逃げられずに1階で亡くなる人もいた。設備があれば、助かったかもしれない命があったのではないか」という思いからだ。  豪雨では、津田さんが運営する同ホームの利用者だった1人暮らしの高齢女性が、浸水被害により自宅1階で亡くなった。女性には認知症があった。津田さんは「普段から近所の人に『何かあったらお願いします』と助けを求めていれば、助かったかもしれない」と後悔の念が募ったという。  同県総社市にある津田さんの自宅は難を逃れた。介護の知識やスキルを生かそうと、避難所に泊まり込んで被災者らのケアに当たった。頭の中にいつもあったのは、「避難の在り方はどうあるべきか」ということ。津田さんは「日頃から安心して避難できる場所が身近にあれば命は助かる」と考え、これを具体化するための「サツキPROJ

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(2020/07/03)