「紅」に染まる教育現場 写真改竄、デモ歌禁止…「生徒たちに申し訳ない」(産経新聞)

【リンク先抜粋】
 6月中旬、香港の教育現場に衝撃が走った。  九竜(クーロン)地区の公立中学(日本の中学・高校に相当)で、女性教師が9月から始まる新年度の契約を打ち切られたことが分かった。理由は、音楽のテストで反政府デモのテーマソング「香港に栄光あれ」を生徒が演奏するのを止めなかった、というものだった。 【表でみる】「香港国家安全維持法」のポイント  「周りの教師たちは驚き、恐れおののいている。誰もクビになりたくないから、今後は授業で敏感な話ができなくなる。教育の自由が損なわれてしまう」  別の中学のベテラン教師、林俊仁氏(仮名)=(46)=は顔を曇らせて自嘲気味にいう。  「このままでは、美術の時間に黄色(反政府デモのシンボルカラー)が使えなくなるかもしれないな」  当局による学校への締め付けがこれまでになく強まっている。昨年から続く反政府デモでは小中学の生徒約1600人、教職員約100人が逮捕された。中国側が危機感を募らせているのは間違いない。中国で審議中の香港国家安全維持法案にも、わざわざ「学校の監督・管理強化」が盛り込まれているほどだ。  ある中学校で卒業写真を撮影したときのこと。日本の高校3年に当たる生徒たちが、5本の指と1本の指を掲げて写真に納まった。これは反政府デモのスローガンである「政府への5大要求は一つも欠くことができない」を示すポーズだ。  香港紙によると、これに驚いた学校側が業者に写真の加工を要求。結局、5本の指を4本に減らしたり、1本の指を2本に増やしたりする改変が行われた。  香港政府は最近、生徒が校内で政治的なスローガンを叫ぶ行為などを禁止するよう各校に要求。学校側はピリピリしているのだ。  香港国家安全維持法が施行されると、教師も国家分裂、政権転覆などの罪に問われかねない。  「教師たちの自己規制はさらに進むだろう。生徒には申し訳ないが…」  林氏は実は反政府デモの支持者で、前線の若者たちをひそかに支援してきた。  「あなたは、生徒から『香港に栄光あれ』を歌いたい、と求められたらどうしますか」と聞いてみた。  林氏はしばらく沈黙した後、「やっぱり、だめだとはいえないな」。顔をゆがめながら声を絞り出した。  香港では6月、国歌条例が制定され、学校でも中国の国歌「義勇軍行進曲」を歌う機会が増加する。  もともと抗日運動の歌だ

続きはこちら

(2020/07/03)