丁寧な説明と乱暴な議論 ポスト・コロナの「勝ち組」メルケル独首相 最終回(Japan In-depth)

【リンク先抜粋】
これに引き換え我が国の副総理は、データの読み方をご存じないようだ。 たしかに欧米に比べて日本の死者数は桁違いに少ないが、アジアに話を限れば、 「人口10万人当たりの死亡者数」 で日本はワースト2位なのである(1位フィリピン)。 中国の場合、発生源であったにもかかわらず、人口10万人あたりの死亡者が日本より少ないことになるが、なにぶん分母(総人口)が桁違いなので、単純な比較はできないという面は、もちろんある。 しかし、そのことを割り引いても、アジアと欧米(ラテンアメリカを含む)を比較した場合、アジアにおいて死亡率がかなり低いことは明確な事実で、これは衛生環境や、私自身も以前に書いたことではあるが、 「握手してハグしてキスしてという文化がないので、濃厚接触と言っても程度問題」 ということだけでは説明がつかない。 なにしろ「新型」コロナウィルスで、その感染のメカニズムも未だ解明されていない部分が多い。アジア人の死亡率が比較的低いのは、なにか遺伝的な要素があるのではないか、と考える研究者も見受けられるようになったと聞く。 いずれにせよ、新型コロナ禍の問題は、果たして日本政府の対応が適切であったか否かも含め、もう少し時間をかけて、科学的に解明されなければならない。民度が高いから死者数が少なくて済んだ、で片付けるのは、いかにも乱暴だ。 それ以上に問題だと私が思うのは、この発言の真意を質された麻生副総理が(いささか分かりにくい話し方をする人なので、概略紹介すると)、 「欧米のように強制力を伴う外出規制をしたくとも、憲法上できないから、日本では<要請>にとどまった。にもかかわらず国民が自粛してくれたおかげで、死亡者数が少なかった。それを民度が高いと表現したまで。」 などと語ったことである。 ならば憲法改正の必要はないわけですね、で終わらせてもよい話だが、安倍政権はそのようには受け止めていないようだ。

続きはこちら

(2020/07/02)