「モデルマイノリティ」という存在。黒人差別に知らずに日本の私たちも“加担”している現実(BUSINESS INSIDER JAPAN)
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警官によって黒人のジョージ・フロイド氏が殺害されて1カ月余。当初事件への抗議が目的だったBlack Lives Matter運動は収まるどころか、黒人差別全体への抗議活動となり、アメリカだけでなく欧州、中南米、アフリカ、そして日本と世界中に広がっている。
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「白人警官が黒人を殺した、だから黒人たちは怒ってデモをしている」
アメリカに住んでいる私は当初、今起きている動きはそんな単純な話だと思っていた。だが、いろいろ調べていくうちに、この問題の複雑さ、根深さに気づくことになった。
今回私が最もショックだったのは、フロイド氏の殺害現場にアジア系アメリカ人の警察官がいたことだ。そのアジア系警官は、白人警官がフロイド氏の首を膝で地面に押し付けている間、通行人が近寄らないようにガードしていた。
アジア人も有色人種として黒人と同じ側にいるのではないかと感じていたので、なぜ彼が白人側に立ったのか、それが気になっていた。
日本に住む多くの人々にとって、この事件は「人種差別がひどい国アメリカ」限定の話だと感じるだろう。自分が「日本人」であることに疑いを持たず、差別を体験したことのない人にとって、日本で人種差別を感じることはないと思う。
しかし本当に日本には、白人が優れ、黒人が劣っているというする白人優越主義のような考え方はないのだろうか。
身近な例を挙げてみる。
なぜ日本で描かれたセーラームーンは金髪、青い目、白い肌なのか
なぜある日本企業が企画した大阪なおみさんの漫画キャラクターは、実際の彼女の肌の色よりもずっと白い肌の色で描かれたのか
なぜテレビCMや雑誌広告に登場するのは白人が多いのか
私は現在、アメリカの大学の社会学博士課程に所属し、市民参加や社会運動を研究しているが、アメリカの人種問題はまだ学びの途中。専門家としてではなく、一学習者の学び、気付きとして、みなさんの学びに役立ててもらえたらと思う。