コロナ禍で衣料品苦戦 百貨店が「デパ地下」強化(産経新聞)

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 大手百貨店が1日に発表した6月の売上高は、新型コロナウイルス禍で落ち込んだ消費の回復が限定的である実態を示した。百貨店各社は、コロナ前の“エース”商材だった衣料品で苦戦が続く。一方、外出自粛で、外食から「デパ地下」への移行が進み、総菜や生鮮食品などが売り上げを回復させている。各社は、本格的な消費回復までの牽引(けんいん)役として、食料品販売の強化を進めている。  週末の東京・池袋。西武池袋本店地下1階の食品売り場は客足がコロナ以前に戻りつつある。運営するそごう・西武が6月5日から販売したのは、黒毛和牛や鮮魚などを詰め合わせた福袋風の商品。5500円にもかかわらず連日、夕方までには売り切れるという。担当者は「自宅での食事を豊かにしたい消費者が増えている」と話す。  日本百貨店協会によると、5月の全国百貨店の売上高は、同月25日に全面解除された緊急事態宣言の影響もあり、前年同月比65・6%減と大幅に落ち込んだ。ただ、商品別では衣料品の74・1%減、美術・宝飾・貴金属の80・0%減に対し、食料品は45・2%減。中でも生鮮食品は2割減程度にとどまった。食品の売上比率は1年前の24・4%から38・7%と大幅にアップした。  食料品が“健闘”する要因について、各社は「外食の代替需要がある」と口をそろえる。消費者が感染の「第2波」を避けて外出自粛を続けることで外食機会が減少。「せめて自宅で外食気分を」というニーズの受け皿になっている。売り場でも「スーパーより良いもので、外食よりは安いという商品が売れている」(大手)という。  銀座などに店舗を構える松屋は6月中旬から始まった中元商戦で、一流シェフの作るカレーなどを企画したところ、1万円を超えるような商品も売れ行き好調で、高級ギフトを自家用に購入する割合も前年の2倍になった。三越伊勢丹も6月、伊勢丹新宿店の食料品約40品目について、自宅配送やドライブスルーでも購入できるサービスを期間限定で実施した。  ただ、食料品の強化は売り上げ全体の落ち込みをカバーするには力不足との意見も根強い。SMBC日興証券の宮前耕也シニアエコノミストは「人口減少と少子高齢化が進む中、食料品の成長には限界がある。今後はさらに付加価値の高い商材の売り上げが回復しないと厳しい」と指摘している。(佐久間修志)

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(2020/07/01)