ニューヨークの街は喧騒でできている(ギズモード・ジャパン)
【リンク先抜粋】
新しい生活が始まりました。
いまだ世界で猛威を振るう新型コロナウイルスですが、感染拡大が収まりつつある地域では徐々に規制が緩和されています。たくさんの死者を出し、その様子が日本のニュースでも多く流れたニューヨークも、コロナ前の生活に戻りつつある今日この頃。でも、すぐに前のように戻るのは無理です。ニューヨーク在住の米GizmodoのWhitney Kimball記者が、今の様子、気持ちを語ってくれました。
6時に仕事を終えてログアウトすると、すぐに窓際に行き、時計を気にする。ロックダウン中のニューヨークの音、鳥のさえずりや遠くで聞こえるトラックの音を聞き、外の様子を伺いながらその時を待つ。午後7時、一斉に街中が大きな歓声に包まれる。静寂を破り、一瞬にして街が復活したかのような大きな音がする。テラスに出て、窓から顔を出して、鍋やフライパンを叩いたり、大声で叫んだり。午後7時の大歓声は、ニューヨークの医療従事者に感謝の気持ちを伝える時間だ。
もちろん私も叫ぶ。夕暮れの空に首を突き出して叫ぶ。ここ数ヶ月毎日やっているので、すっかり習慣化してしまっている。
ちなみに、午後7時から歓声があがるが、何時までとは決まっていない。なので、私は声をあげながら、隣人の同じく声をあげている誰かと目があったら終わりと決めている。その瞬間いつも思うのは、医療従事者の特定の誰かに向けて声をあげているわけじゃないよな、ということ。一番近い病院も1.5マイル(約2.4キロ)先だし、感謝の意を伝えるにしてももっといい方法は他にあるだろうと。それでも、隣人みんなが大きな声で叫ぶのは、きっと自分たちのためなのではないかと思う。
ニューヨーカーは、静寂に耐えられない。
ニューヨークの街を作る要素のひとつ、喧騒が消えてしまった。若者が葉っぱを吸って笑い合う声も、電車のアナウンスも。タクシーのクラクションは、時に聞こえる救急車のサイレンに置き換わり、ヘッドセットをつけて早歩きで人混みをかき分けていた人々は、買い物袋を抱えて力なく歩いている。なんだか寂しい。
初めてニューヨークに来た時、五感すべてが攻撃されているような気がした。ロードアイランド州の半分眠ったような街から、当時の彼女と一緒にニューヨークに引っ越してきたのが9年前。新しいアパートは、特に人通りの多いロウワー・イースト・サイド。多少のこと