モディ首相 経済通だが、ナショナリズム刺激で政権維持(ニュースソクラ)

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 インドで新型コロナウィルスの感染が拡がっている。  5月末で感染者数が165,799人、死者数も4,706人と発生源の中国を抜き去り、アジア圏では感染者数、死者数とも最高となっている。  同国のモディ首相は3月24日に翌25日からインド全土で21日間の都市封鎖(ロックダウン)を実施する旨発表した。防衛、警察等を除く中央地方政府の機能停止、航空便など公共交通機関の運航停止、ほとんどの事業所での操業禁止等を含む厳しい内容であった。  インドの医療体制が貧弱であり、感染者が大量に発生すれば医療システムの崩壊を招くことを恐れたためだ。  この厳しいロックダウンによる経済活動への悪影響を緩和する狙いで1兆7,000億ルピー(約2.5兆円)の経済対策パッケージを発表した。貧困層向けの支援、食料の無償支給などが主内容となっている。  しかし、その後も貧民街など人口密集地域を中心に感染者数、死者数は拡大を続けて、ロックダウンは3回延長されて5月30日まで延長された。6月1日以降は感染者の多い地域が6月末まで封鎖が延長されたものの、他の地域では経済活動を徐々に再開することとなった。 ▼新型コロナウィルス感染の拡大と経済対策  モディ首相は5月12日、テレビを通じて「インドは世界におけるコロナウィルス感染というパンデミックの広がりの中で、経済を建て直すとともにインドの世紀の実現を図っていく」と演説した。この目標達成のために総額20兆ルピー(約30兆円)、GDP比10%規模の経済対策を打ち出すと表明した。   首相の演説を受けてシタラマン財務相が発表した新しい経済パッケージでは、中小企業向け支援策(約5.9兆ルピー)、農家・小規模事業者に対する支援(約3.1兆ルピー)のほか、農林水産業関連のインフラ整備、航空宇宙産業、原子力産業など8つの産業部門に対する構造改革支援など盛り込まれている。これにインド準備銀行(中央銀行)が3月4月に行った金融支援策4.7兆ルピーを合わせて、モディ首相の打ち出した20兆ルピーという金額に達する。  インド準備銀行も3月27日に政策金利を引き下げた(5.15%→4.4%)ほか、企業の銀行等に対する利払いを3か月間にわたって猶予するなどの緩和策を打ち出した。4月17日にもかねてから経営悪化が伝えられているノンバンクに対する社債・CP等の購入等

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(2020/06/30)