3人3様のスーパーカー異色連載――第1回:マクラーレン720S Spiderの巻(GQ JAPAN)

【リンク先抜粋】
ボクらの時代は「スーパーカー」が夢であり憧れだった。だから成功してもしなくても、とにかく“それ”が欲しくて仕方なかった。実際、ボクは29歳で憧れのクルマを必死で手に入れている。クルマ好きという性分が変わらないとして、もしも今若かったならば、もちろんスーパーカーを買う。そしてある程度成功しているとしたならば、新車を狙う。若い感性で自分好みにオーダーする。それをこれから積み重ねていく楽しみ。ビスポークするクルマのイメージの変遷で自分自身の変化を知るという、未来のある時点における喜びを蓄えていける。 “若い”ことの特権だ。ただ、スーパーカーを買うという行為そのものについて言えば、昔とはちょっと違う意味を持っていると思う。以前なら「乗っている自分を人に見られて最高」という気分が少なからずあった。ステータス性というやつだ。今の時代、それがないとまでは言わないけれど、以前よりは薄まっているんじゃないか。人の目はもうあまり関係なくて、「乗っている自分自身が最高」な気分になれるから買う、のだろう。要するにドライビング・オリエンテッド。時代がどんどん機械任せになってきたからこそ、操ることがとにかく楽しいクルマが欲しいのだ。さしずめマクラーレン720Sはその筆頭。スーパーシリーズとは文字どおりスーパーなスポーツカーで、とにかくドライバーへのフィット感はカテゴリー随一を誇っている。720Sに乗ったあと、他ブランドに乗り換えてみれば、何だかぶかぶかのスニーカーを履かされた気分になってしまうほどだ。エアロダイナミクス至上のスタイリングも新しい。ドライブしていると、そして速度を上げていけばいくほどに、空気が身体を抜けていくような錯覚に見舞われる。そんなスーパーカーは他にない。そして何より、ロードカーの世界では若いブランドだということもかえって嬉しい。長く付き合うほどに関わりが深くなっていくという楽しみ。未来のVIPカスタマー(他のブランドには既に沢山おられる)を目指すという点でも、もし今自分が若かったなら、マクラーレンとまずは付き合ってみると思う。

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(2020/06/29)