リオ落選4年…持ち球貫いた渡辺彩香が涙の再出発V(日刊スポーツ)
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<女子ゴルフ:アース・モンダミン・カップ>◇最終日◇29日◇千葉・カメリアヒルズCC(6622ヤード、パー72)◇賞金総額2億4000万円(優勝賞金4320万円)
【写真】オンラインで優勝記者会見に臨む渡辺彩香は笑顔で手を振る
20年国内女子ツアー開幕戦で、渡辺彩香(26=大東建託)が5年ぶりとなる涙の復活優勝を飾った。通算4勝目。
4打差4位から出て68をマークして通算11アンダー、277。昨季賞金女王鈴木愛(26)とプレーオフ(PO)に入り、1ホール目のバーディーで勝負を決めた。16年リオデジャネイロオリンピック(五輪)代表が決まる同年の全米女子オープン最終日、最終18番パー5で池ぽちゃをして涙の落選。あれから4年-。プロ8年目の飛ばし屋が、来夏の東京五輪へ再出発を切った。
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持ち球フェードと同じ、右曲がりのスライスラインを読み切った。プレーオフ1ホール目の18番パー5。渡辺は下り4メートルのバーディートライがカップに消える瞬間、パターを持った左手を突き上げた。
優勝インタビュアーは茂木宏美。最後の優勝だった15年「樋口久子Pontaレディース」の最終日最終組で戦った。強かった自分を知る先輩にマイクを向けられて「…結構厳しかったですね」と涙があふれた。
悪夢は16年7月10日に始まった。豪快な飛距離を武器に挑んだ五輪代表争いのラストマッチ、全米女子オープン最終日の最終18番パー5。ピンまで65ヤードの第3打がグリーン手前の池に消えた。試合後発表された世界ランクはライバル大山の43位に届かぬ45位に。最後がパーなら、結果的に五輪に出られた。号泣した。
「リオに行けず、レベルアップしようと“足りないもの”ばかり考えて」。ほぼスライスだった持ち球フェードを真っすぐにしようとあがき、逆曲がりのドローにも手を出した。泥沼にはまった。18年に賞金シードを失い、昨季はツアー出場30戦で23戦予選落ち。18年に252・11ヤード(4位)だったドライバー(1W)平均飛距離も238・19ヤード(42位)まで落ちた。「私から1Wを取ったら、何が残るんだろう」。そう思いつつも、結果が欲しくて1Wをバッグから抜いた試合まであった。
昨夏過ぎ、覚悟を決めた。「私にはフェードしかない」-。ツアー出場権をかけたQTから、絶頂期の5年前に使っていた1Wを