著名学者のトランプ論を断ず(Japan In-depth)

【リンク先抜粋】
「ウイルスと不況と人種差別という三重の危機よりもさらに米国社会にとって脅威なのは(ドナルド・トランプ)合衆国大統領その人なのである」 ★ ★ ★    「ドナルド(トランプ)との非常に親密な個人的信頼関係により、日米同盟のきずなはもはや揺るぎようのない世界で最も緊密な同盟となった」 ★ ★ ★ さて以上の二つの発言は日本の二人の識者によるアメリカのトランプ大統領への評価である。 第一の言は、アメリカではトランプ大統領はコロナウイルスの大感染よりも人種差別にからむ抗議や略奪の騒動よりも、さらには経済の不況よりも、国民や社会にとってはもっと危険な存在だと断ずるのである。 トランプ大統領はアメリカの敵であり、脅威だと断ずるのだ。トランプ評としては酷評とか過激という域を通り越して、犯罪者扱いのののしりだといえよう。 第二の言は対照的である。 発言者はまずトランプ氏への信頼を強調している。そのうえでトランプ大統領は日本にとって最重要な同盟国アメリカの合法的な大統領であり、そのトランプ氏のお陰で日米同盟のきずなが最も緊密になったと礼賛し、感謝しているのだ。第一の発言とは天と地ほどの違いがある。 さて第一の言葉は日本では著名な国際政治学者の田中明彦氏の一文だった。読売新聞6月14日朝刊の「地球を読む」というタイトルのコラム記事である。「全米デモ」が至近のテーマだった。 第二の言葉は日本国首相の安倍晋三氏の発言である。トランプ大統領が国賓として来日した際の2019年5月28日の日米首脳会談での挨拶だった。安倍首相はその後もトランプ大統領については同趣旨の前向きな評価しか述べていない。だから田中明彦氏の非難とは黒と白ほど異なる信頼や礼賛が安倍氏のトランプ評だといえよう。 この点はきわめて興味深い。田中明彦氏の軌跡をたどると、安倍首相や自民党政権とは密着といえるほどの緊密なきずなを保ってきたからだ。だがトランプ大統領の評となると、これほどの断層が明白なのだ。安倍氏が賞賛する、というよりも安倍政権全体として信頼を表明する相手を田中氏はそれこそくそみそにけなすのだ。 もちろん言論は自由である。だが田中氏の場合はやや事情が異なる。彼の自民党政権、安倍政権への寄り添い方が普通ではないからだ。自民党政権の各省庁、とくに外務省からは常時、審議会、諮問委員会の類のメンバーとし

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(2020/06/27)