新型コロナウイルス禍と学校教育:オンライン学習の可能性と課題(nippon.com)

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そして、3月2日から休校中の学習指導が始まった。教員たちのアイデアで、すぐに実行できて効果的な学習指導の方法として、生徒に「平日は毎朝9時に学校ホームページを見て、学年・学級ごとの連絡事項やその日の教科ごとの課題を確認すること」を課すようにした。そのため、前日までに担当教員がそうした情報を集約して、朝9時までに掲載することになった。担当教員の負担が膨大で申し訳なかったが、各教員が創意工夫をし、基本的に文書で学習指導を行った。ホームページ上のフォームで、生徒が課題に対する回答を提出したり、教員に連絡したりもできるようにした。 休校になったのであれば、同時双方型のオンライン授業にすればよいと考える人もいるだろう。しかし、教員の側でも生徒の側でも、その準備はできていなかった。そもそも遠隔でのミーティングを経験した教員は少なかったし、決まった時間にネット接続できる家庭環境にある生徒は少ないと考えられた。オンライン授業をいきなり始めても、トラブルが相次いで授業が進まない状況が予想された。 だが、教員がホームページに文書を載せるのも、生徒がホームページを見るのも、特に難しいことではない。自分専用のインターネット端末を持っていない生徒がいても、朝のわずかな時間に保護者の端末で情報を確認できるだろうと思われた。 その後、休校期間は延長されたが、朝9時にホームページを見ることを基本とした学習指導を充実させていった。同時に生徒用の端末がない家庭には学校にあるタブレット端末を貸し出して、全員が遠隔での学習指導を確実に受けられるようにした。試験的に同時双方向型のオンライン授業も行うようになり、多くの生徒が参加した。理科の実験動画なども配信した。 本校のこうした取り組みは注目されるようになり、多くのメディアに取り上げられた。同様の学習指導を行いたいと、ある自治体の教育長から連絡をいただいたこともある。生徒たちが不安を抱きやすい状況の中で、安定的に学校から情報を届ける方法が採れた意義は大きかったと考えている。

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(2020/06/26)