斎藤工──地球は誰のテリトリーでもない【GQ JAPAN連載特集:希望へ、伝言】(GQ JAPAN)
【リンク先抜粋】
──あなたの現在の日常について教えて下さい。コロナ問題以前と変わったこと、新しい習慣、仕事や家族との向き合い方、その他この期間に考えたことなど、どんなことでも構いません。
いつもの間にか全く違う世界線になってしまいましたが、無理にでもこの出来事を“気付き“や“きっかけ“に転換すべきだと切り替えています。
医療従事者やインフラに関わるご職業の方々にはひたすらに頭が下がります。支援させて頂きます。
映画や芸術、芸能は二の次です。
ですがその“二の次“が必要なタイミングは必ずあると思っていて、リモートワークを軸に今の自分に出来る事を模索し、実行しているつもりです。
──どうしても家庭内で過ごす時間が増えたのではないかと思います。この期間に読んだ本、観た映画、聴いた音楽などがあれば教えて下さい。またそのなかで感銘を受けたものがあれば、ぜひご紹介いただきたく存じます。
このタイミングは「立ち止まる事」のメッセージだと思い、映画や本は、新規と言うより、昔買ったまま棚に収納されている作品と触れ合っています。映画はマルクス兄弟やマイケル・ホイのDVD BOXを端から観直しています。『吾輩はカモである』や『ホンコンフライドムービー』やはり最高でした。腹の底から笑いました。
──先の見えない日々ですが、それでも前向きに生きるためのメッセージをいただきたく存じます。GQ読者へ、自分へ、家族へ、日本へ、世界へ……メッセージの対象はだれでも構いません。
狭いベランダで、せめて日光を浴びながらと日々朝食を食べているんですが、先日テーブルに蟻が這って来ました。
その時「蟻が自分のテリトリーに来た」と思ってしまった。いつから人間主体の社会になってしまったんだろうと。
むしろ我々人間が地球にお邪魔している感覚を忘れてしまっている事も、今回の人間の集団休息に繋がっている気がします。
しかし、沢山の方が亡くなっているこの未曾有の状況、感染防護具が足りなかったり、車中泊を余儀なくされたりする医療従事者の方々が奮闘して下さったりしている中、こんな表現相応しくないかも知れませんが、新型ウィルスを”悪”とだけ判断するのではなく、”これ”を機に、どうにか対応・対処し、我々人間の進化につなげられないだろうか、と考えています。
迷惑ばかりかけて来た、母なる地球にお邪魔しているいち生物群のひとり