スタイリッシュさが身上! 今や希少な欧州製クーペ5選(GQ JAPAN)

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1990年に登場した3世代目のBMW「3シリーズ」は、最初に4ドア・セダンが市場に投入された。丸いシールドビームがむき出しだったヘッドライトはカバーでおおわれ、ボディパネルの連携もスムーズになった、圧倒的にモダンなスタイリングが時代の速い移り変わりを示していた。 ただでさえスマートな1990年代の3シリーズは、1991年に2ドアの「3シリーズ・クーペ」をくわえる。車名にフランス語を語源とする“クーペ”とつけたのはBMWでは1960年代の「503クーペ」や「700クーペ」以来のこと。つまり2代目3シリーズや初代「6シリーズ」、初代「8シリーズ」は、公式には“クーペ”と呼ばれなかった。 別々に見ればセダンとクーペはドアの数が違うだけに見えたが、並べてよく観察すると金物のボディパネルはすべて別物。より低い重心とより少ない空気抵抗、そして、より均整の取れたスタイリングを実現するためコスト増を承知で新設計にしたのである。あえて“クーペ”と呼んだのには、単にセダンやカブリオレとの区別に留まらないこだわりがあったのだろう。 実際走らせた印象も、やはりわずかながらセダンとは違って、より低く構えて落ち着いたスポーツカーらしさを感じ取ることができた。価格もセダンより少し高く、1993年当時は忘れもしない税別385万円から。当時の日本車にないボディの剛性感や精密なサスペンションの動きは、若かったぼくをすっかり魅了した。 このクーペには、普通の3シリーズにない特別なパワートレインも用意されていた。「318isクーペ」に搭載されたエンジンは、排気量こそセダンとおなじ1.8リッターだが、DOHCヘッドが載せられていて、最高出力も115psから140psにまで大幅に高められていたのだ。 さらに、究極的なほどぼくを虜にしたのはMTの設定だ。当時、日本のBMWは超高額の“Mモデル”を除けばATしか選べなかったが、318isクーペには5段MT仕様(左ハンドルのみ)が用意されていたのだ。しっとりした上質なレザーに包まれたシフトノブを右手で握り、前後左右ともくっきりとしたゲートへ送り込む。数秒おきにそうした操作が楽しめるというだけで、もうたまらないエクスタシーなのだった。

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(2020/06/26)